• #10 これって誰の意見?─SNSでの発信と受け取り方を考える
    2025/06/12
    令和6年度 企業経営理論 第33問(改) (問題) マーケティング・コミュニケーションにおけるSNSの利用やその役割に関する記述として、最も適切なものはどれでしょうか? A: フォロワー数が極めて多い著名人をインフルエンサーとして起用し、当該インフルエンサーを通じてSNS上で企業が情報発信を行う場合、当該企業の意図通りに実施されるように、企業は厳密にコミュニケーションを設計し、インフルエンサーを統制して情報発信を行っている。 B: ほとんどの消費者は、自己のアカウントにログインした状態でSNSを利用する。このためSNSでは、基本的に企業はクッキーを使用せずに広告配信のターゲティングを行うことができる。 (解答・解説) 正解はBです。 Bは適切で、SNSの多くは「ログインした個人」に紐づいたデータを持っているので、企業はクッキーを使わずに個人単位で広告のターゲティングができます。 たとえばInstagramやFacebookでは、「この人は旅行が好き」「この人はコスメに関心がある」という情報をもとに広告が配信されています。 一方、Aは不適切です。 企業がインフルエンサーを起用して情報発信する場合、あくまで「インフルエンサーが自分の言葉で発信する」というスタイルが基本で、企業が発信内容を完全にコントロールすることはできません。 むしろ、インフルエンサーの影響力は「その人らしさ」にあるので、企業の意図通りに全てをコントロールしようとすると、かえって不自然さが生まれ、ファンからの信頼を失うことにもつながります。 #ビジネス #仕事 #仕事術 #転職 #中小企業診断士
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  • #9 ブランドは「名前」だけじゃない─価値を伝える力を育てよう
    2025/06/11
    令和6年度 企業経営理論 第28問(改) (問題) ブランド・マネジメントに関する記述として、最も適切なものはどれでしょうか? A: ある企業が既存事業とは異なる新たな事業領域に進出する際に、既存事業で構築してきた既存のブランドを新事業でも用いることを、ブランドのリポジショニングと呼ぶ。 B: 企業が既存製品と同一カテゴリーに新製品を投入する際には、そのカテゴリーの既存製品に用いてきたブランドを用いることも多いが、あえて新しいブランドをつけることがあり、これをマルチ・ブランド戦略と呼ぶ。 (解答・解説) 正解はBです。 Bは適切で、マルチ・ブランド戦略とは、同じカテゴリーに複数の異なるブランドを並行して展開する戦略のことです。 たとえば、トヨタが「カローラ」「ヤリス」「プリウス」といった複数のブランドをコンパクトカー市場に持っているのが分かりやすい例です。 一方、Aは不適切です。 「リポジショニング」というのは、既存のブランドの意味やポジションを変えて、新たな市場で展開する戦略のことです。 たとえば、健康志向の人向けの清涼飲料水を、あえてスポーツドリンク市場に訴求し直すようなケースがこれに当たります。 #ビジネス #仕事 #仕事術 #転職 #中小企業診断士
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  • #8 「これって合理的?」をつぶやく習慣─就業規則の視点を持つ
    2025/06/10
    令和6年度 企業経営理論 第27問(改) (問題) 就業規則に関する記述として、最も適切なものはどれでしょうか? A: 使用者は、就業規則において1日の労働時間について「8時間勤務とする」と定めた場合であっても、その事業場における始業および終業の時刻並びに休憩時間について規定しなければならない。 B: 使用者は、変更後の就業規則を労働者に周知させ、当該変更が諸事情を考慮して合理的なものであると判断されたとしても、労働者と合意しなければ、就業規則の変更によって労働条件を不利益に変更することは一切できない。 (解答・解説) 正解はAです。 Aは、労働基準法第89条で定められている「絶対的必要記載事項」の話で、就業規則には労働時間や始業・終業の時刻、休憩時間を必ず書かなければならない決まりがあります。 一方、Bは不適切です。 「合理的な内容であれば合意がなくてもOK」というのが労働契約法の考え方で、9条・10条にその根拠があります。 もちろん、不利益変更がすべて認められるわけではありませんが、 ・労働条件変更の必要性 ・不利益の程度 ・内容の妥当性 ・労働者代表との話し合いの有無 こういった要素を総合的に判断して「合理的だ」と認められれば、就業規則の変更が効力を持つ場合もあるんです。 #ビジネス #仕事 #仕事術 #転職 #中小企業診断士
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  • #7 その「やり方」、今の組織に合ってる?─成長段階を見極めるヒント
    2025/06/09
    令和6年度 企業経営理論 第23問(改) (問題) 組織のライフサイクル仮説によれば、組織は発展段階に応じて直面する課題が異なります。組織のライフサイクルを「起業者段階」「共同体段階」「公式化段階」「精巧化段階」に分けて考えるとき、それぞれの段階に関する記述として、最も不適切なものはどれでしょうか? A: 起業者段階では、起業家の創造性や革新性が重視されるとともに外部からの資源獲得が優先されるが、組織の成長とともに経営管理を実行できるリーダーシップが求められるようになる。 B: 精巧化段階では、安定性や効率性を省みず公式的な構造を解体するとともに、新たな成長機会を自ら発見するリーダーシップの発揮が課題となる。 (解答・解説) 正解はBです。 Bは不適切な記述で、精巧化段階では「安定性や効率性を大切にしながら」成長を目指すのが基本です。 組織が成熟すると、「安定志向」が強くなりがちですが、それを守りつつも、環境の変化に適応し、新しい成長のタネを見つけていく──これが精巧化段階の課題です。 一方、Aは正しい記述で、起業者段階では「創造性」や「資源獲得」が大事ですが、成長するにつれて「経営管理能力のあるリーダー」が必要になってきます。 #ビジネス #仕事 #仕事術 #転職 #中小企業診断士
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  • #6 小さな「そもそも論」で組織を変える─学び続けるチームをつくるために
    2025/06/08
    令和6年度 企業経営理論 第22問(改) (問題) 組織学習に関する記述として、最も適切なものはどれでしょうか? A: 組織メンバーが環境の変化に対応した新しい知識を獲得しても、組織によって規定された役割が制約となって、組織としての学習が進まないことがある。 B: ダブルループ学習とは行動とその結果を振り返り行動を修正することを何度も繰り返すものであるのに対して、シングルループ学習とは行動を一度だけしか修正しないものである。 (解答・解説) 正解はAです。 組織にはどうしても「役割」や「ルール」「慣習」という枠組みがあって、それが学びの妨げになることがあります。 たとえば「営業は営業だけ」「企画は企画だけ」という縦割りの中では、どれだけ一人が新しい知識を得ても、組織全体の学びにはつながりにくいんです。 一方、Bは間違いです。 ダブルループ学習は、ただ行動を修正するのではなく、**「そもそもこのやり方でいいんだっけ?」**と、前提そのものを問い直す学習です。 一方、シングルループ学習は、今のやり方の中で改善する、つまり「やり方の微調整」で終わる学習です。 だから、シングルループ学習も1回で終わるというわけではなく、何度でも行われるものです。 #ビジネス #仕事 #仕事術 #転職 #中小企業診断士
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  • #5 「あの人と意見が合わない…」と思ったら─コンフリクトの型を知る
    2025/06/05
    令和6年度 企業経営理論 第20問(改) (問題) 組織や集団においては、意見の相違や利害の不一致から、個人間でコンフリクトが発生することが一般的です。コンフリクトへの対処は、自己の利益を追求する度合いと、相手の利益追求を許容し協力する度合いとの組み合わせに応じて、「回避」「競争」「協調」「妥協」「適応」の5類型に分類されます。コンフリクトへの対処に関する記述として、最も適切なものはどれでしょうか? A:「回避」とは、自己の利益を強く主張しない一方で相手の利益もあまり許容できない場合に、問題解決を延期して様子を見るという対処である。互いの対立点が表立つのを避けたい場合にとられやすい。 B:「競争」とは、相手の利益を最大限に許容しつつ、相手に命令したり相手を説得したりすることで自己の利益も追求するという対処である。権力志向的で高い職位の人間から、順応的な低い職位の人間に対してとられやすい。 (解答・解説) 正解はAです。 Aは、いわゆる「見て見ぬふり」や「一旦距離を置こう」という回避のパターンを示しています。 Bは不適切で、「競争」ではなく「協調」の説明になっています。競争は、自分の利益を優先し、相手を打ち負かそうとするスタンスです。 #ビジネス #仕事 #仕事術 #転職 #中小企業診断士
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  • #4 完璧じゃなくていい─「制約された合理性」で決めて動く習慣をつくる
    2025/06/04
    令和6年度 企業経営理論 第16問(改) (問題) 複雑な意思決定において、意思決定者は完全な合理性を追求できるだけの情報処理能力を持たないとされます。このような「制約された合理性」の下での意思決定に関する記述として、最も不適切なものはどれでしょうか? A: 各代替案によって将来的に引き起こされる全ての結果に対して、それらを最も好ましいものから最も好ましくないものまで順位づける一貫した効用関数を、意思決定者はあらかじめ持つ。 B: 反復的な意思決定を行う状況では、意思決定者は行動プログラムのレパートリーを作り、それらを代替案の集合として意思決定に利用する。 (解答・解説) 正解はAです。 Aは不適切な記述で、「完全な合理性を持っている」という前提に立っていますが、実際の私たちはそんなに万能じゃないんです。 つまり、将来の結果をすべて予測して、きっちりと「これが一番いい!」と決められるような効用関数なんて、普通は持っていませんよね。 一方、Bは適切です。 限られた時間や情報の中で意思決定をしなきゃいけない場面では、 「もし条件がXなら、そのときYをする」 という行動パターン(行動プログラム)をあらかじめ持っておくことで、いちいち全部を考えずにスムーズに動けるようにしているんです。 #ビジネス #仕事 #仕事術 #転職 #中小企業診断士
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  • #3 まず動く、仲間を巻き込む─エフェクチュエーションで「自分ゴト」に変える力
    2025/06/03
    令和6年度 企業経営理論 第13問(改) (問題) 熟達した起業家にみられる意思決定の様式とされるエフェクチュエーションに即した行動に関する記述として、最も不適切なものはどれか? A:他国で戦争が勃発し、エネルギー価格の変動が見込まれるため、過去20年分のデータを精査して、来年度の利益目標を立てた。 B:発売した新製品に対してある顧客からクレームを受けたが、その顧客に製品改良のための活動に参加してもらい、製品の品質向上を図った。 (解答と解説) 正解はAです。 Aは、来年度の利益目標という「最終ゴール」から逆算して、計画を立てるやり方。これはコーゼーションという意思決定のスタイルで、目標を先に決めて、順序立てて考えるやり方です。 一方で、Bのように「今あるリソース」や「周囲の人」を活かして動きながら、可能性を広げていくのがエフェクチュエーションの特徴です。 つまり、「今できることから始める」「周囲を巻き込みながら柔軟に進める」のがエフェクチュエーションの考え方なんです。 #ビジネス #仕事 #仕事術 #転職 #中小企業診断士
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