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ニュース515+plus(RKKラジオ)

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著者: RKKラジオ
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このコンテンツについて

エンタメ・教育・ITの専門家が気になる話題を徹底解説!!


第1金曜日・・・映画解説・研究者 上妻祥浩さん

第2金曜日・・・ライブ配信ディレクター 斉場俊之さん

第3金曜日・・・熊本市立出水南中学校 校長 田中慎一朗さん

第4・5金曜日・・・元RKKアナウンサー 宮脇利充さん


◆WEB https://rkk.jp/515news/

◆メール 515@rkk.jp


★地上波ではRKKラジオ(熊本)FM91.4 AM1197で、毎週金曜日 午後5時15分から放送中。是非生放送でもお聴きください。

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政治・政府
エピソード
  • 【今月の映画案内】坂の町・長崎から戦後の沖縄、そして昭和の疾走感へ――舞台劇原作映画の奥深さ
    2025/07/04

    解説:上妻祥浩(映画解説研究者)/聞き手:江上浩子


    🔶 長崎の街を舞台に描く静かな再生の物語


    『夏の砂の上』(7月4日公開)

    👉 公式サイトはこちら:https://natsunosunanoue-movie.asmik-ace.co.jp/


    舞台は坂の町・長崎。

    事故で幼い息子を失い、妻(松たか子)とも別居中となった主人公・小浦治(オダギリジョー)は、仕事も失い、人生の袋小路に立たされています。

    そんな彼のもとに現れるのが、妹・阿佐子(満島ひかり)の娘である姪・優子(髙石あかり)。事情があり、彼女を一時的に預かることになったことで、思いがけない二人暮らしが始まります。

    この作品は、坂や階段、路面電車など長崎の“日常の風景”が丁寧に描かれており、観光地としての長崎ではなく、“暮らしの長崎”を体感できるのが魅力です。


    共演は森山直太朗(元同僚・陣野)、高橋文哉(優子のバイト先の先輩・立山)、篠原ゆき子(陣野の妻・茂子)、光石研(元同僚・持田)ほか、豪華なキャスト陣が脇を固めます。

    静かに心を動かされる再生のドラマ。

    この夏、ぜひ劇場で体験したい一作です。


    🔶沖縄の記憶に刻まれた実話――


    『木の上の軍隊』(7月25日公開)

    👉 公式サイトはこちら:https://happinet-phantom.com/kinouenoguntai/


    本作の原作は、故・井上ひさし氏が沖縄戦の実話をもとに舞台化しようとしていた未完の作品。その構想を引き継ぎ、舞台劇として完成・上演され、今回ついに映画化されました。

    物語の中心は、沖縄・伊江島でガジュマルの木の上に逃れた二人の兵士。戦争が終わったことを知らぬまま、二年間、木の上でサバイバル生活を続けていたという驚くべき実話がベースです。

    主演は堤真一(本土出身の上官)と山田裕貴(地元出身の兵士)。

    この対比は、本土と沖縄の関係性を象徴的に映し出し、それぞれの葛藤や希望が丁寧に描かれます。

    特に印象的なのは、故郷を戦場にされた地元兵・慎平の「日常を取り戻したい」という切実な思い。その叫びは、熊本地震の記憶とも重なり合い、観る者の心を深く揺さぶります。

    実際に2人が潜んでいたガジュマルの木は、今も伊江島に残されています。


    🔶伝説の爆破スリラー、50周年で蘇る!


    『新幹線大爆破』(7月19日よりリバイバル上映)

    👉 公式サイトはこちら:https://daiichieigeki.com/3891/


    7月19日(土)〜27日(日)、本渡第一映劇(天草)にて、1975年公開の伝説的サスペンス映画『新幹線大爆破』が35mmフィルムでリバイバル上映されます!

    時速80kmを下回ると爆発する爆弾が仕掛けられた新幹線。そのスリリングな展開と社会派ドラマの融合は、今なお色褪せない傑作です。

    犯人役を演じるのは名優・高倉健。

    上映料金はワンコイン500円。この貴重な機会、ぜひ天草でお楽しみください。


    🔶 編集後記

    今月は、“日常”をどう描くか、どう再構築するかが共通のテーマとして浮かび上がる作品が揃いました。

    長崎の坂と心の坂道を重ねた『夏の砂の上』

    本土と沖縄の分断を静かに問う『木の上の軍隊』

    昭和の列車に込められた社会の緊張感『新幹線大爆破』

    ぜひそれぞれの劇場で、心に残る“今月の一本”を見つけてみてください。


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    13 分
  • 「川辺川ダム」再浮上――5年目の節目に考える治水と命のあり方
    2025/06/27

    2020年7月4日未明、熊本県南部・球磨地方を襲った記録的な豪雨により、球磨川流域では50名の命が奪われ、住宅やインフラにも甚大な被害が及んだ。あれから間もなく5年。地域住民は生活再建や事業の立て直しに懸命に取り組んできた。

    そんな中、「川辺川ダム建設」が静かに、しかし着実に再び動き出している。元RKKアナウンサーであり、かつてから川辺川ダム問題に関心を寄せてきた宮脇利充さんは、「なぜ今、ダム建設が再び進んでいるのか」「果たしてその必要性は本当にあるのか」と問いかける。


    🔶かつて白紙撤回されたはずのダム計画が…

    川辺川ダム建設計画は、2008年に当時の熊本県知事が「白紙撤回」を表明し、実質的に中止された。しかし2020年の水害を受けて、今度は「流水型(穴あき型)ダム」として再び構想が浮上した。これは、治水に特化し、通常は水をためず、豪雨時のみ水量を調整するという形式だ。

    2027年度には本体基礎の掘削工事に着手し、2035年の完成を目指すという。完成すれば日本最大級、あるいは「最後の大型ダム」となる可能性もある。

    しかし、この計画には大きな疑問が残る。


    🔶「同じ豪雨が再来しても、ダムでは救えない」――市民調査が突きつけた事実

    市民グループや専門家による調査では、2020年の豪雨で亡くなった方々の多くが、球磨川本流ではなく支流の氾濫や山腹崩壊による土砂災害によって命を落としていたことが判明している。

    また、豪雨の降雨域は川辺川上流とは大きく離れており、仮にそこにダムが存在していたとしても、「命は救えなかった可能性が高い」と指摘されている。

    それにもかかわらず、国土交通省と熊本県はこれらの調査結果に十分な応答を示さないまま、ダム建設を推し進めているのが現状だ。


    🔶「手続きの裏側」で進んだ国の戦略

    さらに注目すべきは、国交省が旧計画(多目的ダム)の廃止手続きを正式に行わなかったことだ。白紙撤回後も10年以上計画を「寝かせ」、新たなダムを「継続案件」と位置づけることで、環境アセスメント(影響評価)を回避。結果として、スピーディに新計画を推進できる道筋をつけた。

    これにより2023年には土地収用法に基づく「事業認定申請」まで進んでおり、建設に反対する地権者の意向にかかわらず、土地の使用が可能となる段階にまで来ている。


    🔶「声を上げづらくなった」地域の空気感

    2008年の白紙撤回時には県内外で大きな議論と盛り上がりを見せた川辺川ダム問題。しかし2020年以降、報道も少なく、地域の関心も盛り上がっているとは言いがたい。

    その背景には、国交省が「ダムがあれば人吉市周辺の浸水範囲は6割減少した」と発表したことがある。多くのメディアはこれをそのまま報じ、「ダムがあれば救われた命があったかもしれない」という空気が広まった。

    「声を上げづらくなった」というのは、かつて環境保全を訴えていた住民や団体の率直な気持ちだ。自分たちの行動が、あの被害と関係していたのでは――という悔恨のようなものが、声を押し殺している。


    🔶今、本当に必要なのは何か?

    「穴あきダム」であっても、川の自然環境は大きく変わる。山の崩壊や支流の氾濫が主因であることがわかっている今、約4900億円とも言われる巨額の予算を「山林の再生」や「地域の防災力強化」に投じる方が、よほど効果的ではないか――。宮脇さんはそう訴える。


    「川辺川ダム建設が進む今こそ、再び私たち一人ひとりが考えるべき時です。『本当に命を守る方法とは何か』を、冷静に、丁寧に、向き合っていく必要があるのではないでしょうか」


    ゲスト:宮脇利充さん(元RKKアナウンサー)

    聞き手:江上浩子

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    13 分
  • 「褒める」とは何か――子どもの強みを引き出すためにできること
    2025/06/20

    🔵「褒める」とは何か――熊本市立出水南中学校校長・田中慎一朗さんに聞く


    「褒める」という行為は、子どもの成長や自信を育む上で重要だと広く言われています。

    しかし、その褒め方や意図次第では、子どもの心に届かないどころか、逆効果になることさえある――。


    熊本市立出水南中学校の田中慎一朗校長は、「褒めるとは何か」について、私たち大人が改めて考える必要があると語ります。


    🔶褒めることは「伸ばす前提」になっていないか

    私たちはしばしば、「褒めて伸ばす」という表現を使います。

    これは一見、子どもの良さを引き出すポジティブな姿勢に見えます。

    しかし田中校長は、この「伸ばす前提」の褒め方に疑問を投げかけます。


    「褒めることで、子どもに何かを期待したり、伸ばそうとしたりする気持ちが先行してしまうと、子どもは『自分が本当に評価されているわけではなく、大人の意図でコントロールされようとしている』と感じることがあるのです」


    特に中学生は、その鋭い感受性で大人の意図を敏感に察知します。

    無理に褒めようとしたり、表面的な言葉で取り繕うと、むしろ反発を招くこともあるのです。


    🔶大切なのは「その子の努力や変化を見つける視点」

    田中校長は、子どもの頑張りに気づくためには、日頃からの観察と関心が不可欠だと強調します。

    「たとえば、45分間の授業でずっと座っていられたこと。それは、動きたくて仕方がない子にとっては大きな努力の結果なんです。その小さな変化を見つけて、『頑張ったね』『今日は落ち着いて聞けていたね』と声をかける。それが本当の意味での褒める、認めるということだと思います」


    褒めることは、点数や目に見える成果だけで判断するのではなく、その子の努力や成長に寄り添うこと。それが子どもにとっての「自分は見てもらえている」という安心感につながります。


    🔶外発的動機づけと内発的動機づけ――どちらを育むか

    「100点を取ったらご褒美をあげる」という外発的動機づけは、短期的には効果的かもしれません。

    しかし田中校長は、長い目で見れば「内発的動機づけ」、つまり子ども自身の内側から湧き上がる興味や意欲こそが重要だと言います。


    「知識を得ることが面白い、もっと知りたい、学ぶって楽しい――そう思えるような関わりを、日常の会話や学校の授業の中で積み重ねていく必要があります」


    褒めることはそのための手段であり、目的ではないのです。


    🔶大人自身が「リスペクト」をもって接する姿勢を

    田中校長自身、「自分ができないことを、子どもができている場面に出会うことがある」と言います。

    そんなときこそ、「すごいね、それどうやってるの?」と素直に尋ね、リスペクトを示すことが大事だと話します。

    「褒めるために無理にポイントを探すのではなく、その子の良さ、強みを認め、リスペクトする。そうした積み重ねが、子ども自身の自信や次の挑戦への意欲につながると思うのです」


    🔶普段からの関わりが、褒める力になる

    最後に田中校長は、こう結びます。

    「子どもたちは、大人の言葉や視線をとてもよく見ています。だからこそ、日々の関わりの中でその子を知り、小さな変化や努力に気づいて声をかけてほしい。それが子どもたちの心に届く“褒める”ということなんです。ぜひ、子どもたちと対話を重ね、認める言葉をかけてあげてください」


    「褒める」とは、子どもを育てるだけでなく、大人自身の成長を促す営みでもあるのかもしれません。


    出演

    熊本市立出水南中学校校長・田中慎一朗さん

    聞き手:江上浩子


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    13 分

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