『ヒダテン!ボイスドラマ』のカバーアート

ヒダテン!ボイスドラマ

ヒダテン!ボイスドラマ

著者: Ks(ケイ)、湯浅一敏、飛騨・高山観光コンベンション協会
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このコンテンツについて

飛騨高山を舞台にした珠玉のボイスドラマをお届けします。コミュニティFM Hit's FM(Hida Takayama Tele FM) で放送中の人気ラジオ番組! ヒダテン!のCV声優10名 が入れ替わりパーソナリティを務める「Hit’s Me Up!(ヒッツ・ミー・アップ!)」の中で放送されているボイスドラマです!ボイスドラマを通じて飛騨高山の魅力に触れてみてください! <番組の特徴> ・ 飛騨高山を舞台にしたボイスドラマを多数制作! これまでに100本以上の作品を発表し、地元の魅力を物語として発信 ・ 放送情報   放送局: Hit's FM(Hida Takayama Tele FM)   放送時間:毎週金曜10:30-11:00/毎週土曜13:30-14:00   配信:Spotify、apple(iTune)ミュージック、amazonミュージック、YouTubeミュージック、CastboxなどのPodcastで番組とリンクして配信中! 飛騨高山の美しい風景とアニメ文化をつなぐ、唯一無二のラジオ番組! 「Hit’s Me Up!」を聴けば、新たなエンタメの扉が開きます!Ks(ケイ)、湯浅一敏、飛騨・高山観光コンベンション協会 戯曲・演劇
エピソード
  • ボイスドラマ「臥龍の記憶」
    2025/08/12
    臥龍桜に誓ったのは、たった一度の祝言でした。昭和19年、戦時中の飛騨高山・一之宮。臥龍桜の下で少女ミオリと青年カズヤは、許嫁として再会します。自由も恋も、そして未来もままならない時代の中で、二人が交わしたひとつの約束。それは“この桜が咲く日まで、生きていてほしい”という切なる願いでした。臥龍桜のつぼみが膨らむころ、カズヤに届いた赤紙。出征を前にして、二人が選んだ道とはーー。飛騨の記憶と、桜の下で交わされた言葉を紡ぐ、時を超えたラブストーリーです!【ペルソナ】※物語の時代は昭和19年〜22年・ミオリ(17歳)=飛騨一ノ宮駅の東側にある実家で育った。一之宮尋常高等小学校を卒業後、高山の女学校に通う女学生。勉学に励み、将来は子どもたちに教える教師になることを夢見ている。真面目で一本気な性格だが、感受性豊かで、心の奥には繊細さも持ち合わせている。親が決めた許嫁であるカズヤとの関係に反発しつつも、どこか彼の不器用な優しさに気づいている(CV=小椋美織)・カズヤ(19歳)=飛騨の林業を営む家に生まれた。家は飛騨一ノ宮駅の西側。幼い頃から木に親しみ、その温もりと力強さに魅せられ、いずれは家業を継ごうとは思うが、今は家具職人(匠)になりたいと思っている。1944年現在は高山市の家具工房で修行の身。寡黙だが、内に秘めた情熱と職人としての誇りを持つ。不器用ながらも、ミオリのことをいつも気にかけている(CV=日比野正裕)【設定】物語はすべて臥龍桜の下。定点描写で移りゆく戦況と揺れ動く2人の心を綴っていきます【資料/飛騨一ノ宮観光協会】http://hidamiya.com/spot/spot01<第1幕:1944年3月5日/臥龍桜の下>◾️SE:春の小鳥のさえずり「冗談じゃないわ!どうして私がカズヤと祝言(しゅうげん)あげなきゃいけないのよ!」「親が決めたことだからしょうがないだろ。」「情けないわね!あんた、それでも日本男子?しっかりしなさい!」「日本男子は関係ないだろうに」「そうね、カズヤには関係ないかも。だけど私には大あり」「どういうことだ、ミオリ?」「カズヤにはわかんないでしょうね。でも私はね、花も恥じらう十七歳。一之宮尋常高等小学校を卒業して、高山の女学校に通う学生なのよ」「だからなんなんだ」「あー、いや、ちょっと待って。そういや、あなただって、林業を捨てて高山の工房で家具を作ってるじゃない」「捨ててなどないぞ。オレは別に父母の仕事を卑(いや)しめてはいない。ただ家具作りが・・」「好きだからでしょ。昔から手先が器用だったし」「そ、そうだけど」「こんなふたりが。戦時中だというのにこんな好き勝手やってる男女がよ。親が決めた許嫁と祝言なんて、まあなんて前時代的な話だこと。いま何年だと思ってるの?昭和ももう19年よ。昭和19年。明治時代じゃないんだから」「ちょっと言い過ぎじゃないか」「なんでよ」「親が言っていることの意味も考えねばならんだろう。戦局はますます激化していくこのご時世で」「はあ?」「厚生省が『結婚十訓』を発表したではないか」「それがどうしたの?」「『結婚十訓』第十条『産めよ殖(ふや)せよ国のため』」「ばかばかしい」「ばかばかしい?非国民かオマエは」「非国民でけっこう」「なに」「だいたいカズヤと夫婦(めおと)になるなんて無理無理」「ふん。こっちだって願い下げだ」「あら。初めて意見が合ったじゃない」「た、たしかにな」「あゝせいせいした」「なあ、ミオリ。オマエ、ひょっとして・・・」「なによ」「いや、別に・・」「言いなさいよ」「ああ。ほかにいい人がいるのか・・」「え・・」「やっぱりそうか・・」「な、なによ。悪い?お慕いする方くらい、いたっていいでしょ」「別にかまわんけど。オレだって・・・」「へえ〜、カズヤにもいるんだ。そんな相手が」「馬鹿にするな。こう見えてもモテるのだぞ」※当時からあった言葉です「馬鹿になんてしてない。だってカズヤ、見た目だけはいいんだし」「だけ、って・・失礼千万だな」「じゃ、いいじゃない・・」「うむ・・」「ねえ、ようく見てみなさい。あそこ。飛騨一ノ...
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    19 分
  • 『桃花流水〜夢に咲く花』
    2025/08/07
    飛騨高山・国府町を舞台にした、春と初恋の物語。ヒダテン!ボイスドラマ第17弾『桃花流水〜夢に咲く花』がついに公開!春のピーチロードで出会ったのは、東京からやってきた農業大学の青年・ショウタ。桃の花に導かれるように、彼とももは少しずつ距離を縮めていきます。しかし彼には、ある“秘密”があって――国府町の自然、伝承、そして飛騨桃の魅力をたっぷり詰め込んだ、甘く切ない春の出会いと別れの物語。公式サイト&Spotify・Amazon・Apple Podcastなど各種配信サービスにて公開中!小説として「小説家になろう」でも全文公開しています。(CV:高松志帆)【ストーリー】[シーン1:4月/満開の桃の花(ピーチロード)】◾️SE:平地の小鳥/高山線の通りすぎる音〜自転車の急ブレーキの音「大丈夫ですか!?」「あ、はい、大丈夫です!」夕暮れが近いピーチロード。満開の桃の花の下。突然現れた彼は、道の脇で、桃の木にもたれかかるように倒れていた。「子狐を避けようとしたら転倒しちゃって」「子狐・・・?」「まさか、こんなところに子狐なんて・・」「別に不思議じゃないわ」「え・・」「安国寺のきつね小僧って民話、知らないの?」「なんだい、それ?」「あなた・・・高山の人じゃないのね」「うん、そうだよ」彼はお尻についた土を振り払って、よいしょっと立ち上がる。Eバイクのスタンドも立て直して。私も、乗っていたEバイクを道の端っこに停める。「東京からきたんだ」「へえ〜。どこに泊まってるの?古川?市街地?」「宇津江四十八滝」「キャンプ場?アウトドア派なんだねー」「きみはここ、国府の人?」「まあね。私、もも。よろしくね」「もも?いい名前!よろしく。僕はショウタ」「ショウタこそ、いい名前。私、ここが高山市になる前から、ずうっと国府に住んでるの」「そうなんだ。いいところだね」「当然でしょ。見ての通り」「桜と桃の花が一緒に見られるなんて」「そう。この季節だけの特権。いいときに来たわね」「本当にきれいだ」「やだ。照れるじゃない」「って桃の花のことだけど・・」「あ、そうか・・・桜野公園は行った?」「うん、宮川(みやがわ)沿いに通ってきたけど、明るいうちに桃の花が見たくて」「どうして?」「桜より桃の花の方が好きなんだ」「へえ〜、変わってるわね」「春の光をあつめて、淡く、やわらかな色をひらく」「ほう〜」「風が花びらを撫でるたびに、甘い香りが漂う」(ゴクリ)※唾を飲み込む「ちょっとちょっと、ショウタって詩人なの?」「いや違うけど、それほど好きってことさ」「好き・・・?」「あ、ごめん。ちょっとカッコつけすぎちゃった」「ううん。よかったわ。ねえ、もっと、ショウタのこと教えて」木陰を選んで、また腰をおろす彼。私も横に並んで、ピーチロードの端っこに座る。風になびく飛騨桃の花びら。暮れ行く前の春の日差しが、私たちの顔に花の影を落としていた。彼は東京の農業大学へ通う一年生なんだって。でも父親は農業の道へ進むことに猛反対。ときどき喧嘩しては家出しているらしい。国府は今回が初めて。でも、どうして高山?どうして国府?「ちょっとだけ、縁があるんだ」「どんな縁?」「ん〜、ナイショ」「もう〜」「さぁて、暗くなる前に出発しようかな、桜も見たいし」「あー、浮気するんだぁ」「なに言ってんだか」「キャンプ用品とか荷物は?」「レンタカーの中。駅前の駐車場だよ」「用意周到ね」「ソロキャンプは慣れてるから」そう言って笑う彼の口元から八重歯が覗く。よく見ると、キュートな感じ・・・かな。「きみの家はこのへん?」「ううん、うちは国府町宇津江」「それって・・・」「そう、ショウタがこれから行くところ」「宇津江四十八滝に住んでるの?」「なわけないでしょ。自然公園の近くよ」「じゃあ送るよ、一緒にいこう」「いいわ」ショウタは笑顔で親指を立てる。一面を淡いピンクに染めた、飛騨桃たちのピーチロード。Eバイクで並んで走る私たちの目の前を、花びらが静かに舞い降りる。後方から子狐の鳴き声が聞こえたような気がした。[シーン2:5〜6月/クリンソウ...
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    15 分
  • ボイスドラマ「アルテミスに出会った日」
    2025/07/31
    岐阜県高山市朝日町にある薬膳カフェ「よもぎ」を舞台に、漢方薬剤師・朝日よもぎの幼少期から現在までを描いた、感動のボイスドラマが完成しました。病弱だった少女・よもぎが、朝日町の自然と「義理の祖母」との出会いを通じて“薬草の力”に目覚め、自らの進むべき道を見つけていく姿を、四季折々の風景とともに丁寧に綴ります。「飛騨は薬草の宝箱」祖母の言葉の意味を、あなたもきっと感じるはずです。出演:蓬坂えりか/坂田月菜/日比野正裕【資料/アルテミス】https://kimini.online/blog/archives/79968<シーン1:現在/よもぎ28歳/カフェよもぎ>◾️SE:カフェのガヤ/小鳥のさえずり「先生、最近朝起きるのがだるくてなあ。また薬をだしてもらえんやろうか」「あら...マサさん、大丈夫?辛いねぇ。奥でお話、聞きましょうね。」「ああ、わかったわかった」カフェ「よもぎ」の奥。厨房の前の小さなカウンセリングルームで常連客の相談を聞く。「じゃあ、漢方作ってくるわね。クロモジ茶飲みながら、待っててね。」「ああ、ありがとなぁ。」カウンセリングルームの横。嬉しそうに微笑みながらおばあちゃんが通りすぎていく。パパのおかあさん。戸籍上は”義理のおばあちゃん”だけど、私にとっては、薬草の先生。”朝日町の主(ぬし)”といってもいいくらい。ふふ。<シーン2:26年前:よもぎ2歳の夏/シェアハウス周辺の森にて>◾️SE:小鳥のさえずり初めておばあちゃんと会ったのは25年前。2歳のときだった。ママに連れられて朝日町に来たけれど、行くとこ、見るとこ、知らないとこばかり。そもそも人見知りで、今で言うコミュ症の塊。しかも病弱で、よく熱を出して寝込んでた。ママのかえでも、いろいろあって精神的にキツいときだったし。東京から着の身着のままで連れてこられて、ゲームも持ってこられなかったんだ。ママは住むところを決めたり、なんだかんだで毎日家にいない。家、といってもシェアハウスだから、ひとり静かに過ごせるわけじゃない。だから、よくお庭で、虫と遊んでた。「痒いのかい?」「え・・」声をかけてきたのは、知らないおばあちゃん。私は手のひらが痒くてボリボリかいていた。「毛虫にさわったんかいな」「あ・・」そういえば、さっき緑色の葉っぱをちぎったとき。葉の上でモゾモゾしてる小さな毛虫にさわっちゃったかも。「ほうか、ほうか。ちょっと待っとれよ」おばあちゃんは慣れた感じで、近くに生えていたよもぎの葉をちぎる。葉っぱを手のひらで揉むと、緑色の汁が出てきた。「この汁をちょんちょんってつけてみ。痒みがおさまるから」なんだか信じられなかったけど、言う通りにした。変わったおばあちゃん。「もうかかん方がええで。ちょこっと我慢しい」私は黙ってうなづく・おばあちゃんは、ほかにもいろんなこと教えてくれた。庭の隅に生えている低い木から、葉っぱと小枝を少しだけ摘み取って「クロモジっていうんや」地面に落ちたセミを拾い、クロモジの葉っぱの上に置く。でも・・・やっぱ、弱ってるから動かない。・・・と思ってたら、そのうちに羽を動かして、弱々しく飛んでいった。うわあ。ぽかんと口をあけている私におばあちゃんがにっこり微笑む。「もう痒くないやろ」あ・・ホントだ・・・治ってる。痒くない。嬉しそうな顔をする私を見て、おばあちゃんがまたニンマリ。その日から、無口な少女と、物知りなおばあちゃんの交流が始まった。おばあちゃん、って言っても、今から思えば全然若かったと思う。だって、いつも車を運転して、朝日町のいろんなとこへ薬草摘みに連れてってくれたもん。鈴蘭高原でヨモギやスギナ、ワレモコウ。水芭蕉は終わってたけど、美女高原でドクダミやオオバコ。カクレハ高原でワラビやゼンマイ、ウド、トウキ。おばあちゃん、きっとひとりぼっちの私を気にかけて誘ってくれたんだろなあ。おばあちゃん、『飛騨は薬草の宝箱』って言ってたけど、ホントにそう。薬草がみんなの生活に根付いてるんだ。もっともっと薬草のこと知りたいな。<シーン3:22年前:よもぎ6歳の春/朝日の森>◾️SE:森の中/...
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    19 分
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