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高千穂さんのご縁です。

高千穂さんのご縁です。

著者: RKKラジオ
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このコンテンツについて

仏教にまつわる色々なお話を、分かりやすくお話していただく番組です。仏教由来の言葉、豆知識、歴史、迷信、風習、教義、作法などなど。 出演は、熊本市中央区京町にある仏嚴寺の高千穂光正さん。お相手は、丸井純子さん。

お悩み相談もメールで受け付け中!goen@rkk.jp

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★地上波ではRKKラジオ(熊本)FM91.4 AM1197で、毎週水曜日 午後6時10分から放送中。是非生放送でもお聴きください。

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スピリチュアリティ
エピソード
  • 【仏教と音楽】 伝統と現代をつなぐ旋律
    2025/06/25

    🔶 宗教と音楽の深い縁

    丸井:「高千穂さん、今週はどんなお話でしょうか?」

    高千穂さん:「今週は『仏教と音楽』というテーマでお話しします」

    宗教と音楽は、古くから切り離せない深い関わりがあります。

    キリスト教では賛美歌やミサ曲、クラシック音楽もその多くが教会音楽に起源を持っています。

    丸井:「仏教でも音楽って重要なんですか?」

    高千穂さん:「そうですね。たとえば雅楽(ががく)が挙げられます。神社のイメージが強いかもしれませんが、仏教でも大切にされてきました。さらに称名(しょうみょう)、つまりお経や念仏も、節やリズムがあり、音楽的な要素を含んでいるんです」


    🔶 正信偈の多彩な節

    浄土真宗で大切にされている「正信偈(しょうしんげ)」にも、節が存在します。

    高千穂さんによると、現在は「送付(そうふ)」「行譜(ぎょうふ)」「真譜(しんぷ)」の三種類の節がありますが、昔は十種類以上の節が存在し、地域によって歌い方が異なったそうです。


    高千穂さん:「全国が今のように繋がっていなかった時代、各地で独自の節が生まれたんですね」


    🔶 親鸞聖人の「和讃(わさん)」と民衆への伝わり方

    親鸞聖人は、教えを広く民衆に伝えるため、当時の流行歌であった「今様(いまよう)」の旋律に乗せ、かな交じりの柔らかな言葉で「和讃」を作りました。


    高千穂さん:「『教行信証』のような漢文の書物は、当時の庶民には難しかった。だからこそ和讃が作られたんです」


    🔶 明治以降の仏教と洋楽の融合

    明治維新で西洋文化が日本に入り、仏教界でも西洋音楽の要素を取り入れた「仏教唱歌」が生まれました。

    これにより、伝統を守りながらも時代に合わせた新たな表現が模索されてきました。

    丸井:「伝統と新しいもののバランス、難しいですね」

    高千穂さん:「そうなんです。伝統だけだと古びてしまう。でも、新しいものばかりだと本来の形が崩れる。だからこそ、法要や儀式では伝統的な節、みんなで集まる場面では新しい歌、それぞれ役割を分けて大切にしてきたんです」


    🔶 音楽が問いかける“変わるもの・変わらぬもの”

    丸井:「言葉も音楽も、時代とともに変わっていく。でも全部が変わったら大切なものが失われてしまう。その加減って難しいですね」


    高千穂さん:「まさにその通りです。音楽一つとっても、私たちの暮らしや価値観と深く関わっています。伝統を守りつつ、新しいものも取り入れる――その姿勢が仏教にも求められているのだと思います」


    🔶 まとめ:音楽に学ぶ仏教の柔軟さ

    今週は「仏教と音楽」というテーマでお届けしました。


    高千穂さん:「仏教の音楽は、称名や雅楽など古くからのものもあれば、明治以降の仏教唱歌のように新しい風も取り入れてきました。

    伝統と革新のバランス、その難しさと大切さを改めて感じていただければと思います」


    🔶 次回予告:「嘘も方便」について

    来週は「嘘も方便」というテーマでお話しします。

    仏教的に“嘘”はどんな意味を持つのか?興味深いお話をお届けします。どうぞお楽しみに。


    🔶 あなたのお悩み、聞かせてください

    この番組では、リスナーの皆さまからのお悩み相談も受け付けています。

    メールは → goen@rkk.jp までお寄せください。


    出演
    お話:仏嚴寺住職・高千穂光正(たかちほ こうしょう)
    司会:丸井純子


    今週も最後までお聴きいただき、ありがとうございました。
    あなたと結ばれたこのご縁に、心より感謝申し上げます。

    では、また来週お会いしましょう。

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    9 分
  • 【英語と法話】言葉の壁を越えて伝えるには
    2025/06/18
    🔶 英語で法話仏教を言葉の壁を越えて伝えるにはこんにちは、丸井純子(まるい じゅんこ)です。熊本市中央区京町の仏嚴寺(ぶつごんじ)より、今週も高千穂光正(たかちほ こうしょう)さんとともに、仏教にまつわるお話をお届けします。🔶 仏教の教えを英語で伝える難しさ丸井:「高千穂さん、今週はどんなお話でしょうか?」高千穂さん:「今週は“英語で法話”というテーマで、浄土真宗の教えを英語に翻訳することの難しさについてお話します」日本に根付いた仏教の言葉や文化を英語に訳すのはとても難しいことです。なぜなら、その背景にある文化や感性が異なるからです。🔶 芭蕉の俳句を訳すと…?たとえば、松尾芭蕉の有名な句「古池や かわず飛びこむ 水の音」。これをラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は、"The old pond — a frog jumps in — the sound of water"と訳しました。丸井:「英語だと、なんだか大きなウシガエルがドボンと飛び込んだような印象ですね」高千穂さん:「そうなんですよ。日本語では静かで風情があるけど、英語にすると印象が変わるんですよね」🔶 浄土真宗のキーワードも苦労の連続仏教用語を英語にする際も同じ苦労があります。たとえば「信心(しんじん)」は英語で「Faith(フェイス)」と訳されることが多いです。また「浄土」は「Pure Land(ピュアランド)」とされます。高千穂さん:「でも、この“Faith”や“Pure Land”という言葉では、日本語が持つニュアンスや奥深さをすべて表すのは難しいんですよね」🔶 アメリカで広がる「ゴールデンチェーン」そんな中、アメリカの仏教界で大切にされている一つの歌があります。それが「ゴールデンチェーン(Golden Chain)」です。これは1920年、ハワイの女性僧侶ドロシー・ハンドさんが作詞したもので、日曜学校などで今も歌い継がれています。🔶 日本語訳されたゴールデンチェーン高千穂さん:「英語では少し難しいので、日本語に訳されたものをご紹介します」私は世界に広がる阿弥陀仏の金の鎖の一つで、明るく強く輝き続けます。私は生きとし生けるものすべてに対して思いやり深く、弱いものを守ります。私は阿弥陀仏からいただいた美しい心を大切にし、美しい言葉を語り、美しい行いをします。金の鎖の一つ一つが輝き続け、世界のすべての人が大いなる安らぎに満たされますように。英語では「Golden Chain of Love(愛の金の鎖)」と表現されており、キリスト教文化の影響も感じられます。丸井:「仏教ではあまり“Love”という言葉は使わないですよね」高千穂さん:「そうですね。本来は“慈悲”を表しているんですが、英語では“Love”という言葉で伝えるんです」🔶 文化の違いを超えて伝わる“心”言葉の壁はあるものの、人が宗教を求める心はどこでも同じです。アメリカでは、日系人だけでなく、まったく仏教と縁のなかった人たちが仏教に触れ、その教えに感動し、信仰を深めています。🔶 翻訳しない、という方法もある高千穂さん:「あるアメリカの先生が“信心(しんじん)はそのままShinjinでいい”と言われていました」たとえば“豆腐”といった言葉が、そのまま“tofu”として定着しているように、“Shinjin”という言葉も、そのまま浸透させていくのも一つの方法です。🔶 まとめ:言葉は違っても“心”は伝わる今週は「英語で法話」をテーマに、仏教を世界に伝えることの難しさと面白さをお届けしました。高千穂さん:「アメリカでは“ゴールデンチェーン”という歌が浄土真宗の教えを伝える手段として根付いています。文化や言葉は違っても、仏教の教えが世界中で受け入れられているという事実は、私たちにとっても喜びです」🔶 次回予告:「仏教と音楽」について来週は「仏教と音楽」をテーマに、心に響くお話をお届けします。🔶 あなたのお悩み、聞かせてくださいこの番組では、リスナーの皆さまからのお悩み相談も受け付けています。メールは → goen@rkk.jp までお寄せください。出演お話:仏嚴寺住職・高千穂光正(たかちほ こうしょう)司会:丸井純子今週も最後までお聴きいただき、ありがとうございました。あなたと結...
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    9 分
  • 【仏教と雨】 梅雨の季節に心を見つめなおす
    2025/06/11

    熊本市中央区京町の仏嚴寺(ぶつごんじ)より、今週も高千穂光正(たかちほ こうしょう)さんとともに、仏教にまつわるお話をお届けします。


    🔶 お坊さんの足元にも「雨対策」あり

    丸井:「雨の日でも、お寺のお仕事ってあるんですね」

    高千穂さん:「もちろんあります。実は私たちが履いている草履には、雨の日用のビニールカバーを装着するんですよ」

    草履の下には足袋を履いていますが、雨水が染み込むと泥だらけになってしまいます。

    そのため、足元を守るための“雨具”もしっかり用意されているんです。


    🔶 インド仏教における雨季(うき)と安居(あんご)

    仏教が生まれたインドにも「乾季(かんき)」と「雨季(うき)」があります。

    インドの雨季は非常に激しく、なんと3か月以上雨が降り続くこともあります。

    この期間、仏教教団では「安居(あんご)」と呼ばれる学びの時間が設けられていました。

    これは、修行僧たちが移動することで小さな命を踏んでしまうのを避けるため、一か所にとどまり、学問や修行に励むというものです。


    🔶 日本にも伝わる安居の精神

    この「安居」の伝統は、日本にも伝えられました。

    浄土真宗本願寺派では、毎年7月下旬ごろに「安居」と呼ばれる最高峰の勉強会が京都で開かれます。


    高千穂さん:「私もかつてお手伝いで参加したことがありますが、全国から集まった精鋭の僧侶たちが真剣に学び合う様子は圧巻でした」

    九州からの参加は大変ではありますが、学びへの熱意は地域を越えてつながっています。


    🔶 源信(げんしん)和尚の教えに学ぶ

    今回は、親鸞聖人が心の師と仰いだ七高僧のひとり、源信和尚(げんしんかしょう)が著した『往生要集(おうじょうようしゅう)』のお言葉を平易にご紹介します。


    高い山には雨水はとどまらず、必ず低いところに流れていく。
    これと同じように、人もおごり高ぶれば仏の教えは心に入らない。
    反対に、謙虚な心で師の教えを敬えば、その功徳は自らに流れ込むのだと。


    🔶 仏教的に見る“高い山”と“謙虚な谷”

    高千穂さん:「これはまさに“自力の思い上がり”を戒めたお言葉です」

    努力や修行に偏るあまり、自分こそが正しいという思いにとらわれてしまうと、

    阿弥陀様のはたらき=他力の救いを素直に受け入れることができなくなってしまう。

    それが仏教の世界でいう「自力の限界」なのです。


    🔶 まとめ:梅雨の季節は、学びのチャンス

    今週は「仏教と雨」をテーマにお届けしました。


    高千穂さん:「仏教が生まれたインドには3か月以上続く雨季があり、その間、修行僧たちは一か所にとどまり学びを深めていました。この教えは日本にも伝わり、今も“安居”という形で大切にされています」

    そして、原信和尚の言葉にあるように、謙虚な心で教えを受け止めることの大切さ――

    雨の時期だからこそ、自分の内面と静かに向き合う機会にしたいものですね。


    🔶 次回予告:「英語で法話」について

    次回は「英語で法話」というちょっと変わったテーマでお届けします。

    仏教の教えを、もし英語で伝えるなら?という興味深いお話です。どうぞお楽しみに。


    🔶 あなたのお悩み、聞かせてください

    この番組では、リスナーの皆さまからのお悩み相談も受け付けています。

    メールは → goen@rkk.jp までお寄せください。


    🔶出演
    お話:仏嚴寺住職・高千穂光正(たかちほ こうしょう)
    司会:丸井純子


    今週も最後までお聴きいただき、ありがとうございました。

    あなたと結ばれたこのご縁に、心より感謝申し上げます。

    では、また来週お会いしましょう。

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    9 分

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