エピソード

  • 一夜語Podcast~2025年1月後半の星空~
    2025/01/12

    2025年1月後半から2月前半にかけての星空案内です。


    0:35

    日没後の南西の空には宵の明星・金星、ほど近いところに土星が見えています。1月中旬から20日過ぎにかけては、金星と土星が並びあい、日々位置関係が変わっていく様子もわかります。金星は-4.5等級ほど、土星は1等級ほどで、その差は150倍以上にもなります。また土星は今年、環を横から見る位置にきて、環が見えなくなる土星環消失となります。およそ15年に一度のことなので、次の土星環消失は2039年です。


    4:04

    東の空で目立つのは木星、おうし座の一等星・アルデバランと並び、色味の違いも楽しめます。まだ低く昇ったばかりの火星、こちらは赤みがかった色。今はふたご座のカストル・ポルックスの兄弟星と並び、さながら三つ子のようでもあります。


    5:33

    今年は宵空に4つの惑星が見えていますが、来年の同じ時期には火星と金星は見えなくなっています。太陽系の各惑星はそれぞれ回るスピードが異なり、星空の中での動きも違います。トラック競技で例えると、地球と横並びになってから、次に追いついて並ぶまでにかかる時間が会合周期。遠い惑星は動きが遅くて会合周期が1年に近く、ほぼ翌年でも同じように見えます。けれど地球に近い惑星は地球とスピード差がそれほどないため会合周期が長く、火星では2年2か月もあります。一年たつと、見えている位置がずいぶん変わってしまうのです。


    9:40

    東側に広がるのが冬の星座たち。明るい一等星が多く、冬の大三角、冬の大六角(冬のダイヤモンド)などの目印も作れます。今年はここに木星、火星の輝きが加わっているので、なお賑やかです。


    12:23

    1月20日が大寒、一番寒い時期です。1902年1月25日には郷里・旭川で日本の最低気温-41℃を記録しました。ただ次の二十四節季は2月3日立春です。暦では確かに春が近づくころ、凍てついた空の星の輝きを楽しんでは。


    ⁠プラネタリウム一夜語⁠

    ⁠ご意見やご感想はこちらへ

    続きを読む 一部表示
    14 分
  • 一夜語Podcast~2025年1月前半の星空~
    2024/12/27

    2025年1月前半から後半にかけての星空案内です。


    0:23

    2025年は巳年。星座にも“へび座”“うみへび座”“みずへび座”があります。医者のアスクレピオスがモデルのへびつかい座が持っているのがへび座、88星座の中で一番面積の広いうみへび座、天の南極に近く沖縄方面でも少ししか見られないみずへび座。うみへび座は春の宵に見やすく、うねうねと伸びるので一番へびらしいかもしれません。


    4:38

    干支は年賀状では大活躍ですが、日常生活で活きる干支もあります。お昼を表す正午、そして午前、午後。この「午」は干支のうま。0時がねずみで、12時が割り当たったのがうまだから。また方位も干支で表しており、北のねずみ(子)と南のうま(午)を結ぶのが子午線と呼ばれます。


    6:40

    1月4日0時ころをピークとするしぶんぎ座流星群が見られます。月明かりがなく条件は良いので、三が日明けの未明に挑戦してみてはいかがでしょう。


    7:24

    しぶんぎ、ろくぶんぎ、はちぶんぎ、これらは測量の道具です。四分儀は今はない星座ですが、六分儀、八分儀は88の星座に含まれています。


    8:17

    火星の観察シーズンがやってきました。今回は距離が遠めの小接近ですが、オレンジがかった色合いの火星は宵の東の空で目立ちます。2年2か月ごとに地球に接近する火星を望遠鏡で観察してみては。


    ⁠プラネタリウム一夜語⁠

    ⁠ご意見やご感想はこちらへ

    続きを読む 一部表示
    11 分
  • 一夜語Podcast~2024年12月後半の星空~
    2024/12/12

    2024年12月後半から2025年1月前半にかけての星空案内です。


    0:25

    12月31日が大みそかです。旧暦では一か月の長さが29日か30日であり、30日は三十日、みそか。ここからみそかは月の最後の日を表すようになり、一年最後のみそかが大みそかです。なお、大晦日と書く「晦」の字は「つごもり」、月が欠けていって隠れる、月こもりの意味で、これも月の最後を表す漢字です。


    1:53

    一年は12か月、星空にも黄道12星座があります。誕生星座は、黄道一周360度を12で等しく分けた黄道12宮で決められ、この起点が春分点。ここから30度分が白羊宮、次が金牛宮、双子宮・・、と続きます。なので最初のおひつじ座生まれは春分の日となる3月21日あたりから始まります。


    5:43

    明るい4つの惑星がいちどきに見られるようになってきました。日没後には西の空に金星、南西の空に土星、東の空には木星、そしてほどなく火星が昇ってきます。12月下旬頃には火星が昇る時間も早くなってきて、西から東まで4つの惑星をたどることができるようになります。


    7:06

    星座の世界も夏から冬までを眺め渡せます。西の空に残る夏の大三角、はくちょう座は今の時期、頭を下に向けて飛ぶ格好となり、地平線の上に掲げられた十字架のよう。天頂あたりにはエチオピア王家物語の登場キャラクターが一面に、東の空からはオリオン座をはじめとしてきらびやかな冬の星座が続々昇ります。


    2024年が終わります。

    いつも変わらぬこの星空が、誰にも安らかに広がりますように。



    ⁠プラネタリウム一夜語⁠

    ⁠ご意見やご感想はこちらへ

    続きを読む 一部表示
    13 分
  • 一夜語Podcast~2024年12月前半の星空~
    2024/11/27

    2024年12月前半から後半にかけての星空案内です。


    0:27

    12月21日が冬至、一年で一番日が短い頃です。ただ日の入りが一番早いのは冬至前の12月上旬、また日の出が一番遅くなるのは年が明けた1月上旬ではあります。


    1:23

    12月14日未明にふたご座流星群がピークを迎えます。ふたごの頭には兄弟の名をとった明るい星があり、兄の星が2等星のカストル、弟の星が1等星のポルックスです。ふたご座流星群はこのカストルの近くに輻射点(ふくしゃてん)があります。流星群は彗星が残していったチリの帯に地球が通りかかることで生じ、このチリはそれぞれ平行に地球に飛び込んできます。これは降る雨を見上げると頭上を中心に四方八方に雨粒が流れるように、地上で観察するとある一点が中心となって流れ星が飛ぶように見えます。流れ星が光り始めるスタート地点ではありませんが、経路を逆にたどると輻射点に行き着くのが流星群の流れ星です。三大流星群は8月のペルセウス座流星群と1月のしぶんぎ座流星群、それに12月のふたご座流星群です。ちなみに2025年のしぶんぎ座流星群は1月4日の午前0時ころがピークとされるので、この時間帯を狙って観察してみましょう。


    5:58

    日暮れ後の西の空には金星、東の空には木星が目立ちます。木星は12月8日が衝(しょう)で、一番明るく観察しやすいシーズンです。望遠鏡では縞模様がわかり、これは木星表面で流れあう大気の色、木星はガス惑星に分類されます。ただいわゆる雲のような部分は表面だけで、内部は主成分である水素が圧力によって液体水素や金属水素と呼ばれる状態になっているといいます。また、周りには明るい4つの衛星がわかり、近い順にイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストの名前があります。木星のまわりを回り、日ごと位置が変わって見える衛星の姿を観察してみては。

    ⁠プラネタリウム一夜語⁠

    ⁠ご意見やご感想はこちらへ

    続きを読む 一部表示
    10 分
  • 一夜語Podcast~2024年11月後半の星空~
    2024/11/12

    2024年11月後半から12月前半にかけての星空案内です。


    0:25

    11月中旬~下旬に、日没後から夜半前にかけて7つの惑星を観察できます。日没後の西の空に水星、金星、暗くなったころには南の空に土星。近くには海王星がありますが、望遠鏡が必要です。東の空からは現在おうし座に位置している明るい木星が昇ります。おうし座の片目は赤い一等星アルデバラン。少し上にいくつかの星が集まって見えるプレアデス星団・すばるがあってこのあたりには天王星。こちらは6等級なので海王星と同じく望遠鏡で見なければなりません。夜半前にはさらにオレンジがかった色味の火星が昇って、これで7つ。太陽系には8つの惑星があり、空にあるのはそのうち7つ。残りの一つは私たちが暮らす足元にある地球です。


    5:55

    天頂あたりに秋の四辺形、これは天馬ペガサスの体を作り、北東の角はおへその星、アルフェラッツ。ただ現在の区分けでは天馬のおへそではなく、お隣アンドロメダ姫の頭の星です。四辺形の北側2つの星を東に伸ばしていくとアンドロメダの姿がたどれ、その中ほどにアンドロメダ銀河があります。暗い空なら肉眼でも淡い光芒がわかるアンドロメダ銀河。宇宙には星がばらばらにあるわけではなく、星やガスが集まった集団・銀河がたくさんあります。その一つがアンドロメダ銀河であり、私たちの太陽系も銀河系・天の川銀河の中に含まれています。規模的にお隣の銀河といわれるアンドロメダ銀河ですが、その距離は250万光年、秒速30万㎞の光が250万年かかる距離にあります。今見るアンドロメダ銀河は250万年前の姿、向こうにも250万年前の私たちの姿が届いていることでしょう。現在の私たちの姿が250万年後にアンドロメダ銀河に届くことを想像しながら、冷たさを増す初冬の星空を眺めてみては。


    ⁠プラネタリウム一夜語⁠

    ⁠ご意見やご感想はこちらへ

    続きを読む 一部表示
    12 分
  • 一夜語Podcast~2024年11月前半の星空~
    2024/10/27

    2024年11月前半から11月後半にかけての星空案内です。


    0:25

    10月中旬から見え始めたツーチンシャン・アトラス彗星。しっぽを上にした彗星の姿が肉眼でもわかりました。10月16日には尾の長さが伸ばした手のげんこつ1個分くらいにあたる10度ほどは見えていました。だんだんと暗くなり目ではわからなくなっていきますが、二度と帰らぬ旅路に出る彗星の姿を見送ってみましょう。


    1:55

    秋空に見られる黄道12星座は西から やぎ座、みずがめ座、うお座。どれも暗い星ばかりの星座たちです。秋の四辺形や、ここから見つかる一等星、みなみのうお座のフォーマルハウトなどを目印に探してみましょう。なお、うお座、みなみのうお座と魚が星座となっていますが、呼び方は うお。それはこの生き物の名前が元来うおだから。お酒を飲むときのいいおつまみとなる、酒の菜、さかな。そうしていつしか、この生き物自体の名前が さかなになったといいます。



    6:03

    11月中旬から下旬は夕方の西空で水星を見るチャンス。目立つ宵の明星・金星の右下あたりと見当をつけることができます。南の空には土星、土星には100個以上の衛星があり、そのなかで最大はタイタン。タイタンは惑星である水星よりも大きな天体です。日暮れ後しばらくすると東の空には明るい木星が昇り、続いてきらびやかな冬の星座たちも続々姿を現します。星空からも季節の移ろいを感じてみては。

    ⁠プラネタリウム一夜語⁠

    ⁠ご意見やご感想はこちらへ⁠

    続きを読む 一部表示
    11 分
  • 一夜語Podcast~2024年10月後半の星空~
    2024/10/12

    2024年10月後半から11月前半にかけての星空案内です。


    0:25

    10月中旬から下旬にかけて、日没後の西の空でツーチンシャン・アトラス彗星が観察できます。12日くらいから見え始める可能性があり、その後は位置として見やすくなりますが、次第に暗くなっていくと考えられます。彗星の正体は「汚れた雪玉」ともたとえられる氷成分が多い天体。太陽に近づくことで、溶けてしっぽが伸びてきます。真空の宇宙ではしっぽの伸びる方向は太陽の反対側です。また、ハレー彗星のように何度も太陽の周りを回る彗星もあるなか、このツーチンシャン・アトラス彗星は二度と帰ってこないとされるので、私たちがこの彗星を目にできるのはこれが最初で最後です。


    4:10

    夕明かりの空にはよく目立つ明るい宵の明星、金星が見つかります。沈みそうなくらい低くなると、大気の影響を受けてオレンジがかって見えることもある金星。冬になるともう少し高く見やすくなってきます。南の空には太陽系の第6惑星、土星。土星の公転周期は約30年、星空を30年かけて巡るので、7~8年たつと見ごろの季節が一つ変わることになります。今は秋でも、10年ほど前には春過ぎでも宵空で観察できていました。ちなみに海王星の公転周期は約165年もあるので、人の一生のうちに見ごろの季節がやっと半年分変わるほどのゆっくりさです。


    7:00

    日暮れ後の空では、天頂を境に西側に夏の大三角、東側に秋の四辺形がわかります。また北東の空には昇ってきたカシオペヤ座が数字の3の字の格好で見えています。これをMの字とみると、山が二つ並んだ山形星。両の稜線を伸ばして大きな山を作り、そのてっぺんと谷の星を結んで5倍伸ばすと北極星が見つかります。春夏は北斗七星を、秋冬はカシオペヤ座をと、季節に応じて高く見やすくなった目印で北極星を見つけてみては。


    ⁠プラネタリウム一夜語⁠

    ⁠ご意見やご感想はこちらへ⁠

    続きを読む 一部表示
    10 分
  • 一夜語Podcast~2024年10月前半の星空~
    2024/09/27

    2024年10月前半から後半にかけての星空案内です。


    0:20

    頭上の夏の大三角は少しずつ西に傾き、東の空には秋の四辺形が昇っています。長方形ではありますが、昇ったばかりは斜めになっているので、大きな菱形といったところ。この四辺形の西側の辺を南の低空へ向けて伸ばしてみると、土星とみなみのうお座のフォーマルハウトが見つかります。今年はみずがめ座に位置している土星、その輪は2025年に真横から見る位置となるため、今年も傾きが浅く細く見えます。


    4:08

    10月15日は十三夜(旧暦9月13日)。お月見は十五夜(旧暦8月15日)と十三夜の両方見るのが正しいとされ、どちらかしか見ないのは「片月見」「片見月」といって避けるものとされていたようです。またほどなくの17日は満月となり、2024年では地球に一番近い位置での満月となるので、いわゆるスーパームーンと呼ばれることが多くなりました。天文学的な用語ではありませんが、見かけの大きさが普段より大きいのは確か。ただこの日の月を見ただけでその大きさを感じることは難しいことではあります。


    6:45

    ツーチンシャン(紫金山)・アトラス彗星が10月中旬に日没後の西の空に現れます。以前から明るく見えるのではと期待されていたほうき星です。実際にどれくらいの明るさになるかは予測が難しいので、期待して待つことにしましょう。西の空が開けたところで、薄明かりの空に現れるであろう彗星の姿を待ってみては。

    ⁠プラネタリウム一夜語⁠

    ⁠ご意見やご感想はこちらへ⁠

    続きを読む 一部表示
    8 分