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サマリー
あらすじ・解説
神様はある? 岐阜県在住 伊藤 教江 「神様なんて絶対にない!お母さんなんて大嫌い!」 当時、高校生だったA子さんは、目に見えない神様は勿論、自分を育ててくれた母親の真心さえも信じられず、問題を起こす度に、母親を怒鳴りつけました。 その後も、A子さんは幾つもの問題を重ね、暴力団事務所に出入りするようになり、ついには家を飛び出してしまいました。その後、A子さんは暴力団の組長と一緒に暮らし始めていたことがわかりました。 それを知ったご両親はどれほど心配をしたことでしょう。早く帰って来て欲しいと連絡をしても、A子さんは会うことを拒否し続けました。そして月日は流れ、いつの間にかA子さんには二人の子供が授かっていました。 いよいよ困り果てたA子さんのご両親は、教会に相談に来られたのでした。さめざめと泣きながら話をするA子さんの母親の姿に、私も同じ娘を持つ親として、もし我が娘が同じような状況に置かれたら…と想像すると、母親の気持ちが、痛いほど伝わってきました。 その日以来、ご両親は娘に帰って来てもらいたい一心で、教会に参拝し、親神様にお願いする日々が続きました。その後、何度も連絡を重ね、私は、やっとA子さんに会えることになりました。 A子さんは、マンション最上階をすべて借りきった暴力団事務所で暮らしていました。私は、そのマンションの駐車場に車をとめ、一人でエレベーターに乗り込みました。 「今から、見たことのない未知の場所へと飛び込んで行くけれど、A子さんは見知らぬ私と会ってくれるのだろうか…?この先、私は一体どうなってしまうのだろう…?」そのうちにエレベーターは最上階に着き、そのドアが開いた瞬間! … 私は、目の前に現れた三匹のドーベルマンに激しく吠えられ、それを聞きつけた大勢の組員に取り囲まれてしまいました。 そこには、映画やドラマでしか見たことのない世界が広がっていました。この光景を目の当たりにした時、私はエレベーターのドアを早く閉めて、すぐに逃げ出したいと思いました。 しかし…その思いとは裏腹に、私の足は前へ前へと勝手に進んでいました。きっと教祖が、私の背中を優しく押して下さったのでしょう。教祖の「救けてやっておくれ…」とのお声が聞こえて来るようでした。 そして、誰とどんな言葉を交わしたのか…記憶がないまま、一番奥の部屋に通され、A子さんと初めて対面したのでした。私はA子さんに「ご両親がどれほど心配し、神様に願い続けていることか…」と話しましたが、「神様や親のことなど眼中にない」と言わんばかりの態度で、目も合わせず全く話にならない状態でした。 そんな中、A子さんのご両親は、毎月おぢばへ帰り、神様のお話を聞く別席を運び続けました。そして早朝から教会に足を運び、ひのきしんをし、おつとめに娘の無事を祈り続ける日々が流れていきました。 すると、A子さんはある日を境に「夫と縁を切り実家に帰りたい」と言うようになりました。ご両親は大変喜びました。しかし喜ぶのも束の間、そう簡単には縁を切らせてもらえない世界であります。親神様にたすけて頂く以外に道はありません。 教会長である主人は、何とかA子さんに救かってもらいたいと、長い年月をかけて、この場では語りつくせない程の真実の限りを尽くしました。その姿を親神様はお受け取り下さったのでしょう、やっとの思いで、A子さんは三歳と二歳の子供を連れて実家に戻ってくる事が出来ました。 早速、私達夫婦はA子さんと三歳の娘さんを連れ、おぢばに帰り別席を運ぶことにしました。その別席の帰りの車中で、私がA子さんに「今日は一日中、下の子をお世話してくれたお母さんにお礼を言いましょうね」と声をかけると「なぜお母さんにお礼を言わなきゃいけないの?」と、そっぽを向きました。 その時です。突然三歳の娘さんが、ぜんそくの発作で苦しみ出したのです。すぐに私はおさづけの取り次ぎをさせて頂こうと「何もわからないだろうけど、手を合わせて親神様、教祖と唱え続けて下さいね」とA子さんに声をかけました。 A子...