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サマリー
あらすじ・解説
序)コリント教会の状況
・コリント教会は、パウロがおよそ 1 年半をかけて、この町でキリストを宣べ伝え、生まれた教会。コリントの町は「神々」でいっぱいだった。
・パウロがコリント教会を離れた後、様々な「教師」が来訪し、偽使徒も入り込み、混乱が起こっていた。この状況に対して書かれた手紙がコリント人への手紙第二である。
1)パウロが誇る人(2 節~5 節)
・「キリストにある人」…キリストと結びついて、一致していた人。
・「第三の天」…当時「天」は、三階層で考えられていた。第三の天は、地上から遠い、神のおられるところ=「パラダイス(4 節)」
・幻を見たくて見たのではなく、神の意志によって不思議な経験をさせられた人を、パウロは誇るという。
2)素晴らしさとおろかさと(6 節~8 節)
・他人事のように書いていた人物が、実はパウロ自身のことなのか?
・この表現は、この啓示の出来事の主体が神の側にあることを際立たせる。
・もしこの経験がパウロのものなら、自分の正統性を証明することになったはずだが、そういう風に用いることはしない。
・「素晴らしすぎて」という表現からは、相当のものだったはずだが、一切語られない。その代わり肉体に「とげ」が与えられたと語られる。 ・「とげ」が具体的に何かはわからないが、「サタン(神に敵対するものだが、神の許しなしには人間に害を加えることはできない)の使い」であることは理解していた。
・パウロはこの「とげ」を去らせてくれるように祈る。「三度」はたった3回というより、神の領域に関連する完全数。
・「とげ」はパウロを「打つ=打ちのめす」ものであり、パウロの苦悩が思われる。
3)弱さという誇り(9 節~10 節)
・パウロは、神からの答えを得るのに、かなりの時間があったように思われる。それが 9 節の言葉であった。
・「とげ」が取り去られ、肉体の平穏が戻って来ることを希望したパウロに対して、神の恵み、憐れみが十分与えられていると告げられる。
・弱さゆえに、神の力は完全に現れるという神の逆転。
・弱さを植え付けられた自分を、自分自身が受け止めることができて初めて、わが身に起きているその現実を受け入れることができる。
結)キリストの力におおわれる
・キリストの力が自分の弱さをおおい、自分自身をも強くされるに至る。