• 【遠野物語】其の八六 政の父親
    2025/08/14

    遠野町の中心区で豆腐を売る男「マサ」。その父親が危篤になった際に起きたふしぎなできごとのお話です。

    本文の中にある「胴突き」とは、太い丸太を持ち上げて落とし、地面を固める作業です。主に日雇いの人夫が動員される過酷な肉体労働で、北海道の方言ではヨイトマケとも呼ばれます。もちろん、死にかけの病人にできるはずはありません。ここから、「死にかけていた人にまつわる話」が続きます。

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  • 【遠野物語】其の八五 アルビノの子 
    2025/08/11

    遠野の農家に生まれた、両親ともにれっきとした日本人でありながら、まるで異人のように真っ白なきょうだいの話。原文では「白子」と書かれています。

    奇異な存在ではあったようですが、いわゆる河童や座敷童子のような妖怪の枠には入っていません。

    遠野物語は、抜粋エピソードだけを見るとつい「未開の時代の妖怪大百科」じみた印象を持ってしまいがちですが、このような「ただの珍しいひと」の話がしっかりクレバーに残されていることも、もっと知られてほしいと思っています。

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  • 【遠野物語】其の八四 隠れキリシタン
    2025/08/07

    海沿いに多く住んでいたという「異人」の話。耶蘇教への弾圧がある中で現地民との混血も進んでいた様子が分かります。

    それにしても興味深いのは、当時を知る老人の

    「異人たちはよく抱き合い、互いに舐めあう」

    という表現です。それは確かにそう、ではあるのですが。

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  • 【遠野物語】其の八三 開けば祟る、古文書の葛籠
    2025/08/04

    大洞万之丞氏の家屋は、いわゆる「曲がり家」ではなかったそうです。とはいえ、どちらの家の構造も近代に生きる者にはちょっとなじみが薄いように思います。

    「開けば祟りのある古文書の葛籠」についても、これ以上の情報はありません。宮部みゆき「堪忍箱」も思い出されます(あれも本当に面白いので、怪異好きの方はぜひ)

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  • 【遠野物語】其の八二 田尻丸吉 
    2025/07/31

    田尻長三郎の息子、丸吉が子供のころに出会った怪異のお話です。

    大きな家の敷地内、ふと通った部屋の端に見知らぬひと(?)の影のようなものがたたずんでいる。この「異界がすぐ近くにある」感じが、遠野物語の怖さであり、魅力でもあると思います。

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  • 【遠野物語】其の八一 前川万吉
    2025/07/28

    田尻長三郎の息子、丸吉氏。その友人である「前川万吉」の体験談です。早くに亡くなった万吉が、生前に出会っていた怪異のお話です。

    何か意味のある出来事でもなく、いわゆる「オチ」もないあたりに、かえって現実感があります。

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  • 【遠野物語】其の八十 田尻家の間取り
    2025/07/24

    多くの怪異の記録が残る「田尻家」間取の解説です。人間が済む母屋と馬屋が一体になった「曲がり家」という構造は、当時の標準的な作りだったようで、現在も重要文化財として残された家屋があります。

    ちょっと分かりにくいかもしれませんが、できればサムネイルの図解とともにご覧ください。青空文庫からの引用です。

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  • 【遠野物語】其の七九 田尻家の怪異 こんな隙間に入れるはずがない
    2025/07/21

    先の話の長蔵の父親も、同じく「長蔵」という名前でした。この、先代の長蔵が出会った怪異の話です。

    さっきと同じ、静かな違和感……かと思いきや、強烈なビジュアルのオチが着く一遍です。

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