『105 日本人の多くが持つ特別な才能をビジネスで活かす』のカバーアート

105 日本人の多くが持つ特別な才能をビジネスで活かす

105 日本人の多くが持つ特別な才能をビジネスで活かす

無料で聴く

ポッドキャストの詳細を見る

このコンテンツについて

近年、ビジネスの現場では「目に見えないもの」を感じ取る力が、ますます重要になってきています。 たとえば、“信頼”という言葉を思い浮かべてください。それは目に見えるものではありません。しかし信頼なくしては、どんなに優れた商品も、どれほど魅力的な提案も、前に進むことはできません。 価格やスペックよりも「この人と仕事がしたい」と思われること。それが契約のきっかけになることもあります。 見えないけれど、たしかに存在するもの——その一つが「空気」なのです。 日本には「空気を読む」という、他の国ではあまり見かけない美しい表現があります。 言葉にされない気持ち、会議の場の雰囲気、沈黙の奥にある真意——それらを読み取る力は、日本人が自然と身につけてきた繊細な感性のひとつです。そして今、それがビジネス、とくにセールスの現場で大きな強みとなっています。 私の知人に、経験の豊富なセールスの方がいらっしゃいます。ある日、彼と彼の後任になる同僚が、ある既存のお客様を訪問しました。目的はシンプルで、新しい担当者のご紹介とご挨拶。今後スムーズにお取引を継続していただくために、本来は、まずは信頼していただくところから始めたいところでした。ところが、後任の方は場の空気に反して、意気込みとともにセールストークを始めてしまったのです。 すると、お客様の表情にはわずかな戸惑いが浮かびました。そう、これは「ズレ」の瞬間です。言葉では語られない違和感が、場に漂ったということなのです。 相手に伝えたい気持ちが強いときほど、人は自分の言葉に集中しすぎてしまいがちです。しかし、本当に必要なのは「話す力」ではなく「聴く力」と「感じる力」です。 お客様のちょっとした沈黙、視線の動き、姿勢の変化。こうした非言語的なサインに注意を払うことで、本音やタイミングを察することができるのです。 日本には古くから、「香道(こうどう)」という奥深い芸道があります。 先日香道に通じている方とお話しをする機会がありました。その方がおっしゃるには、香道は目に見えない“香り”を、心で感じ取る「遊び」。そこでは「香りを聴く(聞香/もんこう)」という美しい表現が使われるそうです。 香りを“聴く”とは、鼻で嗅ぐのではなく、心で味わうという意味。 わずかな香りの違いを察するために、心を静め、集中し、五感を澄ませる——その姿勢は、セールスの場で「相手の感情の微細な揺れ」に気づこうとする私たちの在り方に、驚くほどよく似ています。 香道においては、正解を求めるのではなく、“感じる力”を育てることが大切とされます。 それは、ビジネスの場でも変わりません。 数字の裏にある思い、表情の奥にある本音。 目に見えないものに心を向けたとき、信頼という成果が生まれるのです。 お客様のコミュニケーションの中に「表に出さない」意志や感情がたくさん隠れています。 たとえば、一見目立たないうなずき。少しの沈黙。目線や視線でのやりとり。こうした“かすかな反応”の中に、本当に重要なメッセージが隠れていることがあるのです。 商談の場には、さまざまな立場の方々が集まります。私達の提案に前向きな方もいらっしゃれば、慎重な方もいらっしゃるかもしれません。 誰が自分の味方になってくれるのか。どこに抵抗があるのか。それらを読み解くには、空気の流れ、空気の重さ、軽さに現れる感情の変化、微細なやりとりに敏感になることが大切です。 セールスで信頼を築くには、「話す」以上に「聴く」ことが大切です。 沈黙を恐れず、目の前の人の“本音”を感じ取りましょう。言葉にされないニーズを見つけたとき、私達の提案はお客様の心に真っ直ぐ届きます。 空気を読む力。それは、誰かを思いやる心から生まれます。 もともと私たち日本人が持っているこの特殊能力とも呼べる才能は、世界でも通用する素晴らしい資質です。 セールスというお仕事は、人と人との信頼を結ぶこと。 その出発点は、「空気を読む力、見えないものを感じ取る力」なのです。 私達の中にその力は備わっているのです。 ...

105 日本人の多くが持つ特別な才能をビジネスで活かすに寄せられたリスナーの声

カスタマーレビュー:以下のタブを選択することで、他のサイトのレビューをご覧になれます。