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米国の消費者は関税の懸念を克服したのか

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米国の消費者は単に出費を控えているのではなく、お金の使い方と貯め方を変えている――弊社の米国テーマ別リサーチ・株式ストラテジストのミシェル・ウィーバーがデータを掘り下げてお話しします。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。米国テーマ別リサーチ・株式ストラテジストのミシェル・ウィーバー, 本日は弊社米国テーマ別リサーチ・株式ストラテジストのミシェル・ウィーバーが、米国民によるお金の使い方と貯め方、そして将来の見方に生じている変化についてお話しします。 このエピソードは7月7日 にロンドンにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。インフレの緩和、変化している政治、さらには関税をめぐる絶え間ないノイズなど、種々雑多な情報を市場が消化するにつれ、米国の消費者はものの見方を微調整しています。主要な経済指標の表面をめくれば、米国民がマクロ経済の困難に単に反応するだけでなく適応しようとしており、そこで複雑なストーリーが展開されていることが見えてきます。まず、大まかなところから見ていきましょう。弊社が行った最新の消費者調査のデータによれば、関税をめぐる不確実性が残っているなかでも、それも特に相互関税停止措置の期限が迫っているこのタイミングにおいても、消費者心理は安定してきています。調査回答者のほとんどは最大の懸念材料にインフレを挙げていますが、幸いなことにその割合は縮小傾向にあります。インフレが主たる懸念材料だという回答は当月も全体の半分以上を占めましたが、前月比でも前年同月比でも若干減少しています。消費者が継続的な物価上昇の衝撃に備えるのではなく、インフレ期待を調整している可能性を示唆しているという意味で、微妙ではあるもののこの現象は重要です。ただこれと同時に、政治を懸念する声も強まっています。今では消費者の40%以上が、米国の政治環境を主要な不安材料のひとつに挙げており、その割合が前月より若干大きくなりました。また意外なことではありませんが、地政学的な紛争への懸念も前月より大幅に強くなりました。次に、このデータを所得階層別に分けてみます。すると、興味深いトレンドが浮かび上がってきます。インフレはすべての階層で最大の懸念材料になっていますが、15万ドル超の階層だけは例外で、政治が最も懸念されています。また、所得の低い世帯が家賃の支払いや債務返済を気にしている一方で、所得の高い世帯はそれよりも自分たちの投資のほうを気にしています。関税に対する関心も高いのですが、こちらは安定しています。消費者のおよそ 約40%は非常に強い不安を、25%はある程度の不安をそれぞれ感じています。しかしこのデータを少し掘り下げると、実は政治的分断がここに現れていることが分かります。リベラル派の63%が関税を非常に懸念していると答える一方で、保守派ではその値がわずか23%にとどまっているのです。しかし、こうした数々の懸念にもかかわらず、全体的に見れば支出を切り詰めようとしている人は少なめです。関税を理由に支出を減らすという回答者は全体のおよそ3分の1にとどまっており、今年の前半に比べればかなり少なくなっています。また、およそ4分の1は支出を増やす計画だとしており、ざっと3分の1は支出の計画を変更するつもりは全くないと答えていました。この底堅さは、本日冒頭でお話しした注目すべき消費者行動のトレンドを示しています。消費者は単に反応しているのではありません。適応しているのです。弊社の調査によれば、米国経済全体で見た消費者信頼感は、前月より若干低下したとはいえ安定しています。しかし消費者から世帯に目を移すと、見通しは明るくなります。家計の改善を見込む世帯がかなり多い一方で、悪化を見込む世帯は少なく、差し引きプラスとなるのです。貯蓄もある程度の底堅さを示...

米国の消費者は関税の懸念を克服したのかに寄せられたリスナーの声

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