エピソード

  • 人が人を裁くということ|小坂井敏晶
    2025/05/16
    裁判の目的は何か。犯人を罰し、同じ犯罪が起きないための抑止力か。被害者の無念を晴らすためか。だが、裁判の判決が正しいかどうかは原理的にわからない。日本では裁判への参加が市民の義務と捉えられるが、欧米では司法参加が市民の権利とされる。それはなぜか。近代の袋小路に挑み続ける、社会心理学者の小坂井敏晶さんが、処罰についての常識を疑い、神ならぬ人が裁くことの意味を問い直す6回。6話分の小タイトルはこちら。

    1.人が人を裁くことの意味
    2.市民参加 の効果
    3.真実とは何か
    4. 主権という思想
    5. 主権のアポリア
    6.裁判は政治行為

    著者プロフィール
    1956年愛知県生まれ。アルジェリアでの日仏技術通訳を経て、1981年フランスに移住。早稲田大学中退。パリ社会科学高等研究院修了、パリ第八大学心理学部准教授。2022年退官。著書に『増補 民族という虚構』(ちくま学芸文庫)、『増補 責任という虚構』(ちくま学芸文庫)、『社会心理学講義〈閉ざされた社会〉と〈開かれた社会〉』(筑摩選書)、『人が人を裁くということ』(岩波新書)、『答えのない世界を生きる』(祥伝社)、『格差という虚構』(ちくま新書)、『矛盾と創造 自らの問いを解くための方法論』(祥伝社)など。
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    1 時間 1 分
  • ノーベル賞作家 ハン・ガンの世界|横道誠
    2025/05/09
    2024年にアジア人として初のノーベル文学賞を受賞したハン・ガン。日本では一部のファンにしか知られていなかったが、今日では最も注目を集めている作家といえる。その作品は、小説と詩が入り混じったかのような独特の幻想的な世界が広がる。同時に、韓国の歴史に深く埋め込まれた「傷」を、美しい旋律の中で静かに伝えてくる。現代の詩人ともいえるハン・ガンの作品の魅力を、日本語訳を全て読破した文学研究者、横道誠さんが紹介する。6話分の小タイトルはこちら。

    1.ノーベル文学賞とハン・ガン
    2.植物に変身するということ
    3.人生の破壊と傷つき、そして回復の過程
    4. 傷としての韓国
    5. すべて詩的になる日まで
    6.変身、越境、連帯、対話、そして再生

    著者プロフィール
    日本の文学者。専門は文学・当事者研究。京都府立大学文学部准教授。京都大学大学院人間・環境学研究科研究指導認定退学。文学博士(京都大学)。ドイツ文学の研究の傍ら、宗教2世(エホバの証人2世)、発達障害(自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症)などの当事者として、数多くの自助グループを運営している。2021年に処女作『みんな水の中』(医学書院)を発売以降、2024年9月までに22冊の書籍を刊行。
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    58 分
  • 人類がいまだ解けない謎|竹内薫
    2025/05/02
    アインシュタイン、ゲーゲル以降、多くの天才たちが挑戦しては挫折、いまだ解明されない「謎」。本講義では、宇宙、生命、意識の起源という切り口で、何がわかってきて、何がわかっていないのか解説していく。竹内薫さんは、科学哲学から物理学を修め、サイエンスライターとして長年、活躍されてきた。サイエンスの最前線で何が起こっているか、そして「謎」はいったいどうなっていくのか。宇宙から原子まで・・・世界の見方が変わる。6話分の小タイトルはこちら。

    1.人類の「3ワカラン」
    2.科学とは「何でないか」
    3.宇宙の起源
    4.生命の起源
    5. 意識の起源
    6.人類がいまだ解けない謎

    著者プロフィール
    1960(昭和35)年東京都生まれ。サイエンス作家。理学博士。東京大学教養学部、同理学部を卒業。カナダ・マギル大学大学院博士課程修了(高エネルギー物理学専攻)。科学や数学の案内人として活躍。主な著書に『99・9%は仮説』『数学×思考=ざっくりと』など。
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    1 時間 7 分
  • 夏目漱石をもういちど|石原千秋
    2025/04/25
    夏目漱石は、なぜ、没後100年以上経った今も、読み継がれているのか? 漱石研究の第一人者である石原千秋先生が、作品の系譜を紹介し、作品に触れながら、漱石文学の魅力を語る。正岡子規との関係、イギリス留学での経験がどう作品に影響してきたのか? 朝日新聞に入社したあと、何が変わっていったのか? そこには近代人が誰でも陥る「さびしさ」があった。聴いているうちに、久しぶりに漱石を手に取りたい、と思う講義。新しい気づきがかならず生まれる。6話分の小タイトルはこちら。

    1. 漱石をめぐる神話
    2.日露戦争が漱石を作った
    3.明治民法作家・夏目漱石
    4.愛されたい男たち
    5. 『こころ』に未来はあるか
    6.これから読むなら『道草』『明暗』だ

    著者プロフィール
    1955年生まれ。早稲田大学教育・総合科学学術院教授。専攻は日本近代文学。夏目漱石から村上春樹までテクスト分析による読解を続けつつ、国語教育への問題提起も行っている。著書に『漱石入門』(河出文庫)、『読者はどこにいるのか 読者論入門』(河出文庫)、『漱石と日本の近代』(上下・新潮選書)、『国語教科書の中の夏目漱石』(大修館)など。
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    1 時間 1 分
  • もしも土がなかったら|藤井一至
    2025/04/18
    藤井先生は、京都大学で「土」に関する研究をはじめ、いまやその分野での第一人者。『土』(光文社新書)は第7回河合隼雄賞を受賞。軽妙な話し方にも定評がある著者に、土から日本の地球の歴史と未来を縦横に語ってもらう。6話分の小タイトルはこちら。

    1.まず「土」とは、何?
    2.「土」が生命を生んだ
    3.「土」が帝国(国家)を作った
    4.「土」が美食を生んだ
    5.「土」が地球を守っている
    6.でも、「土」がどんどん消えている

    著者プロフィール
    土の研究者。福島国際研究教育機構土壌ホメオスタシス研究ユニット長。1981年富山県生まれ。京都大学農学研究科博士課程修了。博士(農学)。京都大学研究員、日本学術振興会特別研究員、森林研究・整備機構森林総合研究所主任研究員を経て、現職。カナダ極北の永久凍土からインドネシアの熱帯雨林までスコップ片手に世界各地、日本の津々浦々を飛び回り、土の成り立ちと持続的な利用方法を研究している。第1回日本生態学会奨励賞(鈴木賞)、第33回日本土壌肥料学会奨励賞、第15回日本農学進歩賞、第7回河合隼雄学芸賞受賞。著書に『大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち』(山と溪谷社)、『土 地球最後のナゾ』(光文社)など。
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    1 時間 2 分
  • 蔦屋重三郎と江戸文化|田中優子
    2025/04/11
    NHK大河ドラマで取り上げられ注目されている蔦屋重三郎、稀代のプロデューサーは、何をしたのか? 平賀源内、山東京伝、葛飾北斎、写楽・・・天才たちがこの時代に一気に生まれたのはなぜなのか? その背景には、日本ならではの印刷技術イノベーションがあった。また、鎖国だったはずの江戸は文化的には国際都市でもあったのだ。蔦屋重三郎から始まる物語は、時代と空間を超え、いまの日本を生きる我々までつながっている。6話分の小タイトルはこちら。

    1.蔦屋重三郎とは何者か?
    2.江戸文化のスターたち
    3.上方文化と江戸文化
    4江戸のメディア革命
    5.国際文化都市・江戸「半分垢」
    6.18世紀・世界史の中の江戸文化

    著者プロフィール
    1952年、神奈川県横浜市生まれ。法政大学社会学部教授、社会学部長などを経て法政大学総長。2021年に退任。専門は日本近世文学、江戸文化、アジア比較文化。05年、紫綬褒章受章。著書に『江戸の想像力 18世紀のメディアと表徴』(ちくま学芸文庫)、『江戸百夢 近世図像学の楽しみ』(ちくま文庫)など多数。
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    1 時間
  • いまさら聞けない落語の嗜み|立川談慶
    2025/04/04
    テレビで流れていて、なんとなく聞いたことはあるけれど、いざ聴こうと思っても手掛かりがない、といった方向けの落語入門。サラリーマン経験のある談慶師匠ならではの語り口で落語をより楽しむためのちょっとした嗜みを伝授する。さらには落語で笑うだけではなく、お悩み解決のためのサプリとして使ってみよう!6話分の小タイトルはこちら。

    1.寄席に行きたいんだけど、どこに行ったらいいんですか
    2.本やCD、DVDで楽しむには
    3.人間関係で悩んだらこの落語「一眼国」
    4.人間関係に悩んだらこの落語「長屋の花見」
    5.人間関係に悩んだらこの落語「半分垢」
    6.人間関係に悩んだらこの落語「親子酒」

    著者プロフィール
    1965年、長野県上田市生まれ。駿台甲府高校から現役で慶應義塾大学経済学部に合格、落研に所属し、学生時代を横浜で過ごす。卒業後、株式会社ワコールでの3年間のサラリーマン生活を経て、1991年に立川談志18番目の弟子として入門する。前座名「立川ワコール」。2000年の二つ目昇進を機に「立川談慶」となり、2005年に真打ち昇進。著書多数。
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  • なぜ会社にパーパスが必要か|名和高司
    2025/03/28
    21世紀になり「パーパス経営」という言葉が盛んに言われるようになった。本来、営利を追求する会社という組織でなぜ「パーパス(目的)」が重要視されるようになったのか。資本主義において会社とは株主から提供されたお金を最大化するために事業を営む組織である。このような形態の会社において、今なぜパーパスなのか。これを考えることによって、ビジネスを取り巻く環境の変化や消費者や働く人の意識の変化、さらに、いま企業が求められている課題が炙り出されてくる。スピーカーは経営コンサルタントとして長年活躍し、現在はビジネススクールの教授や大手企業の社外役員などを務め「パーパス経営」を広めた名和高司氏6話分の小タイトルはこちら。

    1.パーパスは儲かるのか?
    2.企業の役割は儲けることだけではないのか?
    3.21世紀のビジネス環境とは
    4.投資家、消費者、働く人の意識の変化
    5.パーパスなき経営の行方
    6.パーパスを事業に繋げるには

    著者プロフィール
    京都先端科学大学ビジネススクール教授。1980年東京大学法学部卒業、三菱商事入社。90年ハーバード・ビジネススクールにてMBA取得(ベーカー・スカラー)。その後、約20年間、マッキンゼーのディレクターとしてコンサルティングに従事。10年より一橋大学教授。22年より現職。ボストン コンサルティング グループ、アクセンチュアのシニアアドバイザー、ファーストリテイリング、デンソー、味の素などの社外取締役を歴任。現在、SOMPOホールディングスの社外取締役、朝日新聞社の社外監査役など。著書に『パーパス経営』(東洋経済新報社)、『超進化経営』(日本経済新聞出版社)、『問題解決と価値創造の全技法』(ディスカヴァー21)などがある。
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    1 時間 13 分