エピソード

  • 主人公たち、心の声で喋りすぎてるかも…? 漫画でモノローグは「演出手法」として適切に用いよう #167
    2025/01/10

    演劇では多用される一方、映像作品ではほとんど使われることがない「モノローグ」について、漫画ではどのような場面で・どれぐらいのバランスで用いるのが適切なのか。結論としては、「作風次第」「演出次第」となります。 例えば少女漫画・少年漫画では心の声(=モノローグ)が用いられることが多いですが、それは読者にわかりやすく喜怒哀楽を伝えることが必要となるからです。 また、基本的に口に出して喋っていい状況ならセリフにしてしまったほうがいい一方、全てをセリフにすると不自然なレベルで喋りまくることになってしまう場合も。 さらに、セリフで喋らせてしまうと、喋った分だけ話を進める必要がでてきますが、モノローグなら思考しているだけで済ませることができます。実際に体験する出来事以外に、思考のみで感情を動かすことができるからこそ、少女漫画・少年漫画はモノローグが入りやすくなるとも言えます。 とはいえ、モノローグを漫画で用いるうえで本当に注意したいのは、あくまで「演出」であるということ。最初は全然無かった心の声が、途中からやたら入るようになってくると、やはり作品としての違和感が出てきてしまいます。 使うなら使う、使わないなら使わない、ぐらいで捉えるのが丁度いいかもしれません。 過去の名作なんかでも、モノローグの使われ方や表現される感情の濃淡なんかはバラバラですので、いろいろ読んでみた上で、作風が近いものを参考にしてもらえると良さそうですね。

    続きを読む 一部表示
    29 分
  • 漫画は訴求ポイントより「訴求感情」が大事! 何度描いても飽きない感情を知るヒントとなる分類法 #166
    2025/01/08

    漫画の企画を立てる上では「訴求ポイント」がよく重視されます。しかし本当に重視されるべきは、作者が何度描いても飽きない感情であり、読者も何でも読みたい感情である「訴求感情」ではないでしょうか。 もちろん作者と読者のその感情が交わる点はとても狭く、それゆえに相当尖らせないといけません。ただ、描きたい感情さえしっかり定まっていれば、その感情にあわせて状況も用意できるようになり、作品全体もブレることなくクオリティが高まっていきます。 ・・・と、理屈ではわかっていても、自身が描きたい感情を見出すことはとても難しい作業です。だからこそ、感情のパターンや分類法をたくさん学ぶことで、描きたい感情に辿り着くためのヒントや階段としているわけです。 今回は、そんな感情という存在にずっと着目してきたマンガスクリプトDr.ごとうが、ChatGPTと話し合った結果生まれた4つの感情の新分類である 「ギャップ」「緊張感」「美学」「自己投影」 などを紹介しながら、今年もあらためて感情の種類について考えていこうという回になっております!

    続きを読む 一部表示
    30 分
  • 漫画を描くモチベーションを高めるには、自分の「感動」に注目? 描いてて楽しい感情を見出す方法 #165
    2025/01/06

    漫画を描く以上は、モチベーションにしっかりと着火し、「これこそが自分の作品だ!」とずっとモチベーションを維持できるような作品を書くことが何よりも大切です。 そのために重視したいのは、まずは自身の中にある「感動」の気持ちを意識することです。漫画を描いていると、どうしても他者からの評価ばかりが気になってしまいますが、モチベーションは自分の内側から湧いてくるものです。 だからこそ、最近どんな小さな感動で何があったか、どういうことで心を動かされたか等、自分自分の心の動きに着目するようにしてみましょう。 それができるようになったら、「自分が描いてて楽しい感情」をもっと細かいレベルで見出していきましょう。その気になればけっこう出てくるはずですし、それを中心に物語を考えられるようになれば、きっとモチベーションは高まるはずです。 もちろん、それができなくて思い悩んでいる状態の人も多いと思います。そういう場合は、「好きだったマンガの好きだったシーン」をいくつか取り上げて並べてみてください。 きっと何らかの共通項が見出せるはずですし、その要素に対する感情をさらに濃くして描いていくことが、きっと良いモチベーションへとつながっていくはずです。 ・・・というわけで、2025年の「漫画家“ためになる”ラジオ」は今回から真の始動となります! 本年もどうぞよろしくお願いします!

    続きを読む 一部表示
    23 分
  • 私たちの心の声は、どこから・どうやって生まれるのか…? 去年ベストバイだった「タコの本」の話 #164
    2025/01/03

    明けましておめでとうございます!「漫画家ためになるラジオ」は正月三が日でも変わらず配信を続けておりますので、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます! とはいえお正月ぐらいは特別編をということで、1月1日・3日の配信分については、なんと「ためにならない」話をお届けしております。 第二弾となる本日は、マンガスクリプトDr.ごとうにとって2024年のベストバイだった「タコの心身問題」という書籍を紹介させていただきます。 意識や思考、つまり心の声はどこからくるのか。そんなごとうの長年の疑問に対し、タコの生態や進化を紐解きながら、見事に答えてくれる一冊となっています。その感動・驚き、そして学びについて、ぜひ皆さんに共有したい…! その一心から、2025年の幕開けとなる正月三が日中に、どうしても話しておきたかった回となっています。 いつもと基本的には同じノリ・同じトーンですが、いつも以上にためになるパートは少ないどころかゼロの回となっています。もし「元旦から何かを学ぶぞ!」という素晴らしい意識でこられた方は、ぜひ過去アーカイブをご覧くださいませ……! (タコについてだけ、少し詳しくなれるかもしれません) というわけで、「漫画家ためになるラジオ」を2025年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

    続きを読む 一部表示
    30 分
  • 夢の中でいつも同じ建物が舞台になるのは普通…? 初夢を見る日に紹介したい「こんな夢を見た」話 #163
    2025/01/01

    明けましておめでとうございます!「漫画家ためになるラジオ」は元旦でも変わらず配信を続けておりますので、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます! とはいえお正月ぐらいは特別編をということで、1月1日・3日の配信分については、なんと「ためにならない」話をお届けさせていただきます。 第一弾となる本日は「こんな不思議な夢を見た」というだけの話。 荘子の「胡蝶の夢」のように、夢と現実の区別がつかない話と見せかけて、よくよく聞いてみるとただの怖い話のようにも思えて……? そんな信じるか信じないかはあなた次第的な話を、25年の第一回目としてお届けさせていただきます。 いつもと基本的には同じノリ・同じトーンですが、いつも以上にためになるパートは少ないどころかゼロの回となっています。もし「元旦から何かを学ぶぞ!」という素晴らしい意識でこられた方は、ぜひ過去アーカイブをご覧くださいませ……! というわけで、「漫画家ためになるラジオ」を2025年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

    続きを読む 一部表示
    26 分
  • あなたの「主義」がわかる心理テストを大紹介! 本人も知らなかった○○から作品テーマを見出そう #162
    2024/12/30

    漫画はテーマが大事だという話を何度もしてきましたが、テーマとはつまり「伝えたいこと」になります。だからこそ、「皆はこうだと思っているはず」で考えるよりも、「私はこう思った。だが、それは本当にそうなのか?」と自分の考えを疑ってみるほうが、深く面白いテーマの掘り下げになるのではないでしょうか。 そしてテーマとは、作者自身の「主義」のことでもあります。そこで今回は、マンガスクリプトDr.ごとうが、「自分の本当の主義がわかる心理テスト」を紹介させていただきます! ぜひ紙とペンを用意して、挑戦してみてください。

    【テストの手順】 1)今から5人の知り合いを思い浮かべ、名前を書いてください。ただし家族は除きます。

    2)名前を書いたら、紹介文を1人ずつ、50文字ぐらいで簡単に書いてみてください。 ・・・書けましたか? 答えを知ってしまうと2度とできなくなるため、人生で一度しかできないこのテスト。ちゃんと書けたら、以下の答えを読んでみてください!

    ーーー 【このテストからわかること】 手順1で誰を選んだかは、関係ありません。手順2で書いた紹介文の中で「共通している」要素。実はそれこそが、あなた自身が大事にしている「主義」を投影しているのです。 見た目や内面、ステータスなど、テストを受ける人によって共通要素はバラバラになるでしょう。だからこそ、その人自身が重視している要素が、このテストでは浮かび上がってくるのです。 ・・・どうでしょう、納得のいく答えになりましたでしょうか。人はみな、それぞれで見ているところは違うはずで、だからこそ人はそれぞれが面白く、たくさんのいい作品も生まれてきます。 皆さんがこのテストで何に共通項を見出したのか、よければぜひコメント欄で教えてくださいね! というわけで、2024年もありがとうございました!来年も1月1日から更新をしていますので、ぜひ2025年もご視聴よろしくお願いします!!

    続きを読む 一部表示
    35 分
  • 漫画家の個性は、得意な感情の「偏り」で決まる? 分類手法ではなく成長環境に解像度は影響される #161
    2024/12/27

    漫画家によって、描きがいのある感情、描くのが得意な感情があると思います。そういう感情に対しては、その解像度の高さゆえ、語彙なども豊富になり表現も多様化。逆に、そこまで解像度が高くない感情は、そこまで思い入れもなく、表現も画一化しがちなのではないでしょうか。 感情を分類する手法は昔から多く、参考になるものも多い一方で、そもそも感情は文脈でしか決まらないという主張もあります。ある状況に対して体の反応があり、それを良いものと捉えるか・悪いものと捉えるかは、本能的にではなく各々の経験や学習に基づいて決まるものであり、後付けのものでしかない。つまり、感情とは本能的なものでなく、インプットによって決まるという考え方です。 ある感情の上手な言語化、あるいは感情に対する多角的な視点の提示によって、強い共感や新しい気づきを得られる機会は漫画作品でも多いかと思われます。ただ、その背景にあるのは、描き手側のそれぞれの家庭環境など、個人に深く根差したこれまでの人生そのもの。 だからこそ、感情の捉え方や表現に偏りがあること自体が、漫画家の個性といえるのかもしれません。 という感じで今回は、そもそも感情分類というのは意味があるのか?感情とは何か?的な話を、延々と繰り広げております・・・!

    続きを読む 一部表示
    48 分
  • 逆転のマンガ発想法!問題提起が2割・結論まで8割の構成なら、2割だけ描くほうが完成度は高まる #160
    2024/12/25

    読み切りが指定のページ数に収まらない、無理やり収めようとするとダイジェスト風になり、物語としてつまらなくなってしまう……。そんなときにお薦めしたいのが、「答えを描こうとしない」という書き方です。 作品内において「この問題は、こう考えたらいいんじゃないか」という主人公の気づきまでを提示する必要は、実はありません。あるテーマに対し「○○はダメ」という結論ではなく、「○○って何なんだろう」と問いを提示して終わる形でもいいのです。 そもそも難しい問題ほど、答えを出すまでには時間がかかりますし、何年も連載してようやく結論らしきものに至れるかどうかというテーマも珍しくありません。だからこそ、「問題提起」と「結論」のパートがあるなら、スパッと「結論」を削ってしまう方法が有効になります。 もちろん全体構成でいえば、問題提起2割・結論8割ぐらいの比率になると思いますが、作品としての魅力を保ちつつ、全体のページ数を抑えるならば「2割」ではなく「8割」のほうを削るほうが効果的です。 長いものを無理やり圧縮するより、短いものを膨らませたほうがしっかり描ける・・・そんな逆転の発想法ほか、漫画づくりのヒントをクリスマスにもしっかりお届けしたいと思います!

    続きを読む 一部表示
    33 分